奥様にお土産

もう最後なので、ニックの英会話レッスンの生徒さんが中華を御馳走してくれることになった。
私も招待してくれたのに、行けなくて、、、いやはや残念☆今頃ニックは美味しい中華ご馳走になってるんだろうな、、、と思ってると、ニックから電話が来た。


「なんかね、石田さん（生徒さん）が、どうしてもって、今、お土産オーダーしてくれたんだ。いいって言ったんだけどね。結局、頼んだの。石田さん、色々あれもこれも頼もうとするんだけどね、酢豚でいいって言ったんだよ。酢豚が美味しくてさ。。。だから、酢豚がいいって言ったの。だからさ、食べないで待っててね。」

って、ズラズラ喋るから、え、ちょっと待って、お土産って、私にお土産ってこと？って聞くと、

「ミキにどうしても食べてほしいって言って、でも、酢豚が美味しいから酢豚にしてもらったから」って言うニック。

ちょっと、じゃぁ、彼に代わってよ、お礼いいたいからさ、って言って変わってもらって少しお話した。

すると彼は、「あ、奥様ですか、初めまして」から始まって、ぜひ奥様に食べて頂きたくて、と、奥様を連発する。

いや～、奥様じゃないんだけど。。。



結局、会話の最後には「では、旦那様に変わります」。

いや～、旦那さまじゃないんだけど。。。



久し振りに見知らぬ人と交わした会話はなんとも不思議な感じだった。




そしてお土産がお部屋に来た。
ニックも自分にご飯盛ってるから、「また食べるの？　しかもミキへのお土産なのにさ」って言うと、

「付き合い」

と、一言。

なんじゃ、こいつ。

そして映画『ダウン・バイ・ロー』観ながら、ゆっくり食べた。

王将じゃない中華は久し振りで嬉しかった。

横を見ると、ニックが眠たそうにしてる。

聞いてみると、ビール大ジョッキに中ジョッキ、加えて中国のお酒も飲んだという。
じゃ、酔ってるんだ！！
と、初めてその時分かった。だから電話でなんだか変だったんだーーー！！

すぐに爆睡するニックを横目に、奥様は完食した。