夜もかなり更けてから、ニックが明日は半日の休みを取れると言ってきた。
だから何の映画観ようか?と聞かれたけど、別に見たい映画なんて何もなかったので深夜ベッドに潜り込んでからIPodでトレイラ―見て物色。
何本か見て、う~~~ん、イマイチだな、映画はまた今度、、と思った時に、ケイト・ブランシェットの新しい映画だよと見せられたトレイラ―で即決、殺人マシーンに育てられた少女の話を次の日に観に行った。
この女の子が最高!!
もう、すっごく気に入った!!
子役なんて鼻に付くのばかりだと思っていたけど、スカーレット・ヨハンソン以来のヒット!!
あれあれあれあれ、こんな子、ハリウッドにいたっけ? エライ騒ぎじゃないの、この子の出現で?!
私、この何年か細かくチェックしてはいなかったけど、こんな子いたら絶対気付いていたはずなのに!!
と、記憶をパラパラめくっていると、映画も終わりがけになって、
あ、あの子じゃない?!! あの子だ!!と気付いた私。
いたいた、いました、そんな話題になった女の子が!!!
その名も『ラブリー・ボーン』、宣伝が大きくて、すごく話題になっていて、サスペンスだと勘違いしてなかなか面白そうだと最初は思ったけれど、でも少女が殺されるところから始まる話と知って、しかもキャッチコピーが「これは私が天国に行ってからのお話」とあって、そういうのが苦手な私は即刻パスした、あの映画に出ていた女の子だ!!
あれからもう大分綺麗に成長しているけど、その時に相当騒がれていたし、絶対あの子だ!!!
そっか~、そっか~!!!!!!!となんだか嬉しくなった。
ついでにさっきの映画の女の子のことを確かめるために『ラブリー・ボーン』のDVDを探して眺めているうちに、なんだかこの映画を観たくなってきた。
でも全く私らしくないストーリーなんだけど。。。と、かなり悩む。
しかしニックも「観たい観たいよ!! 絶対観たいよ!!」と騒ぐので、結局買った。
感想:
とっても凄かった。
下手すればチープになってしまう、そんな危険をはらんだ話をよくこうも映像化したよな!!と驚いた。
終わりのクレジット観てると、ニックが、「ピーター・ジャクソンだよ!!」と。
誰、それ?
彼がロード・オブ・ザ・リングの監督さんだという。
へーーーーーーーーーーーーーー!!と感心。私はああいう映画にあんまり心惹かれないけど、ふーん、さすが、仮想世界を作り上げるのが一級品だと称賛される人なだけあるんだな、、と思った。
観てみようかな、ロード・オブ・ザ・リング。
ところで、ラブリーボーンについてはあんまりスッキリしない人達もいたということを知ったので、ちょっと補足。ネタバレあり。
映画はあくまでも魂の救済について焦点を当てているんだと思う。
いきなり生を絶ち切られた死者の立場であるこの女の子の魂がふらふら、浮遊している。その彼女が見つめる家族は哀しみで途方に暮れ、皆自分を責めて、でもどうしようもなくて、やりきれなくて、そのまま気持ちがどこにも動こうとしなくなる。そしてなんでそんな事が起ったのか、何かそこに意味を見つけ出そうと必死になる。
でも意味なんてない。
喪失感は大きくなるばかりで、怒りや恨みや、理不尽だと思う気持ちがどんどん膨らんでいく。
両方ともとても苦しい。
そういう心の流れを両サイドで見せている。
それでいながら生きている者と死者との世界はきっちり分かれていて、話が進むにつれ、あぁ、なんとか触れ合ったり声が聞こえたり出来ないかしら、、、って超現象嫌いな私が思ったくらい、全くそういうことは起こらない。
死体を見つけさせようよ、とか、犯人はここだって示そうよ、って観てるこっちが焦ってもそうはいかない。
その内に、あぁそーか、死体が見付かって、犯人が捕まったのなら、この映画の持つメッセージが変わってしまうんだ、と気付く。
だから最後の方で、彼女が天国へとうとう辿り着く時になって、友達に、「まだなの、まだ他にすることがあるの」って言って戻っていく時、あれ、死体とか見付かっちゃうのかな、犯人も捕まっちゃうのかな、と心配になった。
でもやっぱり犯人も捕まらなかったし死体も見付からなかった。
もちろんエンターテイメント的にはすっきりしない。
でも、そうじゃなきゃ、いけなかった。
だって、そうでないと、死体が見つかっていないならば周りの人間も死者も、誰も救われないという話になってしまうから。
だから、そうか、見付からなくても、大丈夫なのか、、、と。
ちゃんと死者は別の世界へ行ってるんだよ、という、そういう話。
ところでこの監督が描く天国はなかなか色の美しい天国だった。
やっぱりロード・オブ・ザ・リング観てみようかな。
ちなみにニックは観たらしい。
どうだった?と聞いたら、
「寝た」
だって。
うーーーん、どうしようかな。
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