見終わってこうして帰って来て、感想はというと、、、
「先日のグラスゴー旅行で風邪を引いてしまい、劇を見に行けなくなるんじゃないかとビクビクビクビクこの1週間を過ごす羽目になったけど、必死で頑張ったおかげで行くことが出来て今は本当に安堵感で一杯」。
これに尽きる。
咳もしなかったし!
それにしても、シンと静まり返ったとたんに咳をする人が何故か結構多い気がする。
あなたたち、風邪なんて引いていないでしょう??
って思うことがよくあるんだけど。あれはなんでだろな。
ところで、願かけする癖のある私、
予習なんかすると行けれなくなりそうと思ってからはリチャード三世の本を読むのも止めにしたせいで、こうしていざ行けると、あぁ、やっぱり勉強してくれば良かった!!と心から思った。
とにかく、ケヴィン・スペイシーだから、あの声だから、どう転んでも(アメリカ的でも、イギリス的でも、ということなんだけど)、全然分からないってことはないだろう、と言い聞かせて、劇場の周りをウロウロしてみた。
外には当日券を求める人の長い列があった。
もう売り切れって聞いていたけど、こうして当日券もちゃんとあるじゃないか。
こういう落ち着いた劇場はいかにもこれからシェイクスピア劇を観ますっていう雰囲気があって、
気持ちをますます盛り上げてくれる。
劇が始まったのが5時半。
終わったのが8時頃。
2時間半もずーーーーっと出ずっぱりのリチャード役のケヴィン・スペイシー、
しかも”せむしでびっこ”をかなり強調した姿で長~~~いセリフ回し、
後半でエリザベスとの言い合いなんて激しすぎて見ていてびっくり☆
エリザベスが退場した後にリチャードが椅子に座ってハンカチを取り出して汗を拭き、次のシーンに移ってもまだ汗を拭いていて、おいおい、これは演出じゃないんじゃね? と心配になっていると、
最終場面ではとうとう逆さ吊りにされてしまった。
大丈夫かしら、、ケヴィンスペイシーって何歳だっけ?
と思っているうちに出演者が出てきてお辞儀をし始めたけれど、
ケヴィンスペイシーは息をはぁはぁはぁはぁ切らしていて、
本当に、大丈夫なのかな、とそれこそ心配になってしまった。
一体どういうこと?! ただでさえ年取ったんだな~と思っていたのに、
その上この演技?!
週3で?!!
これから香港、シンガポールとツアーするらしいし、いくらこのためにお酒も絶っているとは聞けど、
やっぱりあの極度な”せむしでびっこ”は相当身に応える筈だと思う。
ケヴィン! あなたはそんなに腰を曲げたり手をひねったり足に鉄の輪っかなんてはめたり背中に大きなこぶを乗っけなくても簡単に魅力的なリチャードが演じられる役者なのよ!!
こんななのさ。
何週間か前にこの写真を見つけた時は、あんまりのショックで、
うぎゃーーーーー!!と叫んだ。
しかも監督がサム・メンデス。
(今変換したら、寒麺です、と出てきた。可笑しい。漢字とは不思議なもので、これから先、サム・メンデスの名前を聞く度に、寒麺です。が頭を一瞬過ぎることになるのだろう。)
そこでまた、
うぎゃーーーーーー!!と叫んだ。
しかし、先に知っておいて良かったよ。
それにしても、どう、このプログラムの写真は?
かっこいいよね? ね?
この写真だけを見かけていたから、今回のリチャードはこんな感じだと、ずっとずっと思っていた。
冷酷で、残忍で、冷静で、頭が良くて、口が上手くて、哀しくて、弱くて 悪党で、
せむしでびっこなのに、殺人者なのに、それを承知の女でも、気が付いたら彼の手中に収まっているような、そんなリチャード。
劇が終わったら、劇場中の女性が知らぬ間に惚れてしまっているような、劇場中の男性がその魅力に嫉妬さえしてしまっているような、そんなリチャード。
惹きつけられて、感情移入できるような、最後に殺されてしまったことに哀しめるような、そんなキャラクターだと思っていたのに、
5枚目の写真を見て、サムメンデスが監督と知った途端、
違うんだな
と悟った。
面白いのが、途中で、ヘイスティングスの頭が入っている箱を開ける所や、手の曲がり具合が、『セヴン』や『ユージュアル・サスペクツ』を思い出させたこと。
パロディか?!と思ったくらい、笑えた。
そして、『21』のようなキャラだったら、リチャードに似通った部分が多かったと思うんだけど、それは私だけ?
とにかく、
拝啓、ケヴィン・スペイシー様、
あんなに体に負担がかかる演技は、役作り云々言う前に、体に絶対悪いです、
即刻止めて欲しいと願う、一ファンです。
そして疑問がポツンと残る。
何故にプログラムだけはこの写真?
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