どんでん返しミステリーをネット検索してたらこの本が傑作とあって、
れんじょうみきひこ?
へ~、連城三紀彦って恋愛モノの作家だとすっかり長年思っていたけど、ミステリー書くの??!
とびっくりしてたらなんと同じ日に古本屋で巡り会った『白光』。
びゃっこう、と読む。
ふぅむ、とか、ほぉ、とか最初はいちいち唸りながら読み進めていったほど、私には馴染みのない文章で、慣れるまで時間がかかった。
が、一気読みできた本。
ネタばれは絶対嫌いだから、一文で説明すると、
「一人が殺されて、そこから登場人物の心の陰の部分がどくどく流れ出してそこに善意の嘘と悪意の嘘がたっぷり絡まって、さぁ、殺したのは誰だ?!」
っていう話。
登場人物が皆それぞれ主役で、それぞれが自分を中心に事件を語り、
だから事件はあらゆる方角に向かって突っ走っていく。
『百光』という額縁にぴったりと嵌まったストーリーだったと思う。
登場人物ひとりひとりの告白が中心となるその物語の構成は感情、心情だらけでやっぱり私のイメージしていた連城三紀彦だわ、と思いながら、そしてやっぱり心理的なものって私には合わないわ、と思いながら読んでいると、
それでも夏の暑い日差しの、失敗したネガのような白さを何度も感じ、
この本を読んで初めて“ノウゼンカズラ”だと分かった私の大好きな夏の花のそのオレンジ色や、
薄緑のテロンと下に落ちた蔓なんかの様子が目の前に迫ってきたりして、
この人はきっちりと物書きなんだな、、と思った。
どんでん返しがどんでんと返されてはいなかったことはさておき、
それにしても、本の中は幸福になりたくない人達で溢れ返っていて、そういうのって本当に疲れた。
皆が悪意を持っていて、それがまるで小学校の習字で使うプラスチックのボトルに入った安い墨汁が倒れて流れ出したみたいに薄黒く濁っていてすごく嫌だった。
まぁね、彼らも頑張ってるんだろうけどさぁ、、などと同情もしてみたりはしたけど。
でもまたこの人のミステリーを漁るだろうな、と思う。
連城三紀彦がなかなか読ませるミステリー書くなんて知っただけでも食わず嫌いの大発見!!
ポストにアマゾンから届け物。
いつの間に注文したのかしら?!
とても面白いんだってニックの推薦、ジョージ・オーウェルの『Down and Out in Paris and London』。
あぁ、なんて嬉しいの!
本がどんどん増えていく☆
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