2013年3月14日木曜日

大英博物館でポンペイ展



LUCIUS MAMMIUS MAXIMUS






ホワイトデーなんてものは英国にはないけれど、


気分がホワイトデーだったので、どこかに出かけようと思い、行った先は大英博物館。






3月の28日からポンペイ展が始まるので、BC2世紀のローマの執政官だったというこのお方も一足お先に玄関先でお披露目されていたのだった。




ポンペイ。




79年の8月24日にヴェスヴィオ火山が大噴火して、一昼夜火山灰が降り続け、翌日25日の火砕流でポンペイ市は地中に埋もれてしまったという、あのポンペイ。    


火砕流とは、”かさいりゅう”と読み、気体と固体粒子からなる空気よりもやや重い密度流”であり、火山が噴火した時に、高温ガスや灰や岩石が雪崩のように流れる現象である、とあるが、


そんなものが100キロの速さで有毒ガスとともに追いかけてきたのだから市民は逃げられず、ポンペイの町もろとも、地下5メートルの深さに埋もれてしまったのだ。



しかし18世紀に発掘が開始され始めてからというもの、そのローマ時代の遺品の美しさに世界中が驚くこととなる。


なぜ美しさが損なわれずにいたかというと、火山灰を主とする火砕流堆積物には乾燥剤に使うシリカゲルに似た成分が含まれていたため、町中をきっちり覆い尽くしたそれは湿気を吸い取り、美術品の劣化は最小限に食い止められたからだという。





 
写真のルシアス・ミニマス・マキシマスさんも、おかげで少しの損傷もなく、そのままの姿で取り出されてこの姿、わざわざナポリの町から来てくれたのだという。






今回の展示では、彼を筆頭にしたコインや壺や壁画の美術品はもちろん、


発掘時に遺体が腐ってなくなって空洞が出来ていたところへ考古学者が石膏を流し込み、逃げたり苦しんだりするポンペイ市民の姿を再現したものも展示されるという。


写真にでさえその時の恐ろしい様子がはっきりと表れているから、


それらを実際に見ることができるのだと思うと、かなり興味深い展示になりそうだ。



他にも、焼かれたパンなんてものもあり、本当に、その瞬間まで人々は普通に生活していたことが分かる。








それにしても、津波なんて言葉がなかったその時代のこと、噴火についてのプリニウスの記述には海の水が引いていく様子などがあって、その後に起こった津波が別の言葉で表現されているのだが、




原発はなかったしね、、、とつい思ってしまうのが哀しい。





ポンペイ展は9月の末までやっているというから、絶対に見に行こうと思う。




おまけ;

ルシアスさんはコリントスをめっちゃくちゃに破壊した人らしい。

そしてコリントスの男達をとらえて兵士にし、女子供は奴隷にし、美術品の数々は奪ってローマに送ったというのだが、

その時の逸話で、彼が美術品に関しては全く関心もなく、敬意も払わず、


それらを船で送る際に、


「もし、損なうようなことがあればそれと同じだけの金額のものと変えといてね~」なんてことを言っていたらしい。



自分の像が今や世界で大切にされている美術品なんてことを知ったらどう思うのだろうか。。。

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