ちょっと前の話になるが。
ラドュレの前を通りかかると、
「パリで買う方がなぜか美味しいのは分かっているけれど、でも久し振りだし、マカロンを買ってあげるよ!」
とニックが言った日があった。
ケンカをした後だったので、そういうことを言ってくれているのを分かっていたから、
いやいやいや、ケンカをすると出費がかさんでイカンよ、いらないいらない、
と言った私を振り切ってニックはラドュレに入って行ったのだった。
なぜか手を前で組むニック |
店内はとても狭いので、私は入らずに外で待っていた。
なんだか真面目な顔をしている上に、手を組んでいるのが面白く、
もしかしてラドュレで緊張してるのかな?なんて思ったりもしてたのだ。
まだ組んでいる手。 |
店内にはいつも男の人の方が多い。この日も同じで、恋人に買っていったりしているのだろうね、、と思いながら、そこにニックがいるのはなんかやっぱり似合わないね〜と面白かったりもしたのだ。
箱でどっさりもらったら、女の人は困っちゃうね〜、と、店員さんが持っている箱を見て思ったりしたのだった。向かって左横にいる男性はニックじゃないな、良かったそんな散財する必要ないんだしね、、とホッともしたのだった。
そして買って店から出てきたニック。箱ではなく、袋を持っていた。
「ありがとう!」と私が言ったのを合図にニックが袋を開けた。
そしたら。
じゃじゃ〜〜〜ん!! 。。えっ?? 一個??。。 |
絶句していると、
「だってミキがお金使わないでって言ったから。。。」
と、ニック。
本当にビックリしたのだった。いや、確かに箱買いは困ると言ったけれどさ。。。
なんだか特別な気がしてきたので、急遽の写真撮影。 これが本当のOne & Only。 向こう側に見えるラドュレの袋よ、たった一つの為にごめんなさい。 |
たった一個を見ているうちにこのマカロンがとても可愛く思えてきたりもして、
ニックのこういう所も、まぁキュートだよね、、とも思ったりもして、
でも、そういうのがいけないんだよね、と。
私がイギリスを出て行った後は、どんな女と付き合うのだろう、とか、
ロンドンにいる高そうなお姉さん達とどうやって付き合う気なんだろう、とか、
でもきっと女の人が上を求めたら男の人もそうなろうと努力するものなのだろう、とか、
と考えるとやっぱりある程度の物欲は女の人が持たなきゃ失敗するんだろう、とか、
それを考えたらやっぱり私が良くないんだろう、とか思ったのだった。
たった一つのマカロンのせいで、いろいろと複雑だったのだ。
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