SHARD=シャード
ヨーロッパで一番高いビルという。
何をいまさらこの時勢に高い建物など作るのか、全く理解できないが、
こうして完成し、もう既にロンドンの顔として君臨している。
建築中、全く高く見えないシャードを前に、「コレ、本当にヨーロッパで一番高くなるの?」と度々
ニックに尋ね、
その都度ニックは、「まだまだこれからだからね、もっと高くなるんだよ」、と答えてくれた。
それからしばらく、さ~いつ終わるのかな、どれだけ高くなるのかな、と何回も見たが、ヨーロッパで一番高くなっていっているようには全く見えなかった。
ある日の散歩中、シャードを見ながら、「あとどれくらい高くなったらヨーロッパ一番の高いビルになるんだろうね~」と無邪気にニックに話しかけたら、
「もう、とっくに工事終わったよ」。
えぇ~~~~~~~~~~っっっ!!?
終わってたの?!
工事終わったの?!
あれが、完成の姿?!
ボー然として、まじまじシャードを眺めた。
一番上のてっぺんのところ、終わってないじゃん。。。。。。。。。
「終わってないよ~~~、まだ途中だよ~~~」とニックに言うと、
「終わったから」と。
まるで、なんとゆーか、なんか見たことあるよーな、、、、
としばらく考え、あっ!!!!と分かった。
「ダイヤモンドをつかむツールがあるんだけれど、先っぽがちょうどあんな風になっていて、ブラシみたいなもので、おしりの方をプッシュすると、グニョ~ってかんじでそこが延びて出てきて、ダイヤをつかむのよ、あれ、あのツールそっくり!!」。
ニックはそんなツールなんて見たことないから不思議な顔して私を見ている。
もどかしい。。。。。。。。
しかしそれにしても、何回見ても、まったくもって、意味不明な建物だ。
シャードというのはあだ名で、その形がまるでガラスのものを割った時に出来る、カケラのよう、そのガラスのカケラを英語でシャードというから、と。
ガラスのカケラ、、なんていう繊細な感じの建物にはまったく見えない。
ダイヤつかむ、ブラシだって!!
ニック父にも、シャードが高く見えないと言うと、
いや、高く見えなくても、本当に高いんだよ、と。
でもニック父よ、高く見えないのに本当は高いなんて、高い意味がないじゃあないか。。。
この話題を引っ張って結構長いので、もうそろそろ止めようと思い、シャードのことは隅に置いた。
そしてつい先日。
バラマーケットを散策していると、3人の女の子たちとすれ違った。
すると横を通り過ぎるちょうどその時、
「シャードって高い建物に全く見えないじゃない?」
と言っているのがかなりハッキリ聞こえた!!!!!!!
やっぱり~~~~~!!!と思って嬉しくなって、
ニックに向かって、「ね?ね? 他にもそう思っている人がいるでしょ?」と喜び勇んで言ったら、
「何が?」。
かくして私はまたシャードを隅から引っ張りだすことになった。
いつか、
「シャードってあんまり高く見えないよね」、
と言う人に出会えることを期待している。
これがブラシ
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