ナダとサイモンの結婚式から早くも2週間が過ぎ、今度はニックのいとこのデイヴィッドの結婚パーティーが彼の実家のあるヨークシャーで行われるということだった。
じゃ、良い機会だし、土曜日の夕方の集合時間までに間に合うようにして小旅行でもしようか、、ということになり、出かけて行ったのが先週の木曜日だった。
ふぅ、、、時が経つのがこの年になって急激に速まってるぜ、、、
などと感心している場合ではなかった、これじゃすっかり夏休みの友の絵日記のようだわさ。
ということで、とっととアップしていくことにして。。。。
またまたレンタルか―を運転するハメになったニック。
ヨークシャー行きはサイモンとナダの結婚式のあったデボンへ向かう道よりもずっと混んでいて、
運輸会社の大きいトラックがたくさん走っているのもちゃんと見た。
前回は全く見なかったから、〝イギリスには運輸会社なんてないのだ! そんなに焦って物を運ぶ文化はないのだ! (どーりで荷物がしっかり家に届かないハズだな。。。)”とまであやうく思いそうになったけど、
しっかり宅配会社も運輸会社もあるようで。。。ちょっと安心したりして。
ヨークまではなかなか道のりが長く、やっと目的のおいしいフィッシュ&チップスのお店に着いた!!
外は寒そうだし、コート着なきゃね、といつも旅行の時に持って出るタンタンの大きなバッグを後ろの座席に見ると、そこにはなく、「タンタン今日は車のトランクに入れたの? いつも後ろの座席なのに?」とニックを見ると、
「タンタン持ってきてないよ」。
へっっっ???!!!!!!
タンタンがない??????
なんとドジなことに、そこでやっと荷物をロンドンに置き忘れていることに気付いたのであった。
そこで気付くか!!
ってなぐらいマヌケな話であるのだが、とにかくそれに気付いたとたん、もちろん食べる気なんて全く失せてしまい、それどころか車から降りたくもなくなった私。。。
大きなあの忘れてきたバッグには何が入っていたっけ、、、
思い出せ思い出せ思いだせ、、、と記憶をぺらぺら一生懸命めくるけど、なにせこんな大ボケは初めてなもんで、焦る焦る。
あ~! あれも忘れた、これも忘れた、渡すはずだったあのお土産も全部これでボツ、
そうだそうだ、洗面用具もいっさいがっさいがあのバッグの中だった!
え~と、それよりも大切なのはまず私の場合コンタクトレンズだ!!
あっ!!
メガネまで忘れたってことか!!
あとはコート、服、下着、、 あぁ!こんなに寒いヨークの空の下、どーすりゃいいんだ!!
頭は既にグルグル回り、本当だったら今はもうおいしい魚食べているハズなのに、、と思ったら、悲しみが襲ってきた。
いやいや、今は早急に絶対必要な物を割りだして購入するのがまず先だ。
とにかく時は夕方5時半、イギリスのお店はほとんどが遅くても6時には閉めてしまうし、しかもこのヨークは全くの初めての場所、何も分からない私には今が勝負とも言える、、。
と、
その時、横から声がした。
「まずはフィッシュ&チップス食べて、落ち着いてから考えようよ」。
そんなのんびりした事をのんびりした声で言ってくるのはもちろんニックさ、ニックなのさ!!
どーしてかね??
どーして真剣を逆さに撫でるようなことを言うのかね??
しかしニックは楽しみにしていたこのフィッシュ&チップスのお店だし、可哀想だよな。。。
「う。。。ん。。。。」と一瞬心が動かされる私だったけど、
「やっぱり駄目! ムリ!! 私ここでリスト作るから、ニック食べてきて!」
と言うと、それじゃ嫌だよ~とニック。
「食べに行こうよ、ね、今は食べて、気持ちもお腹も暖かくなって、そうしたら落ち着いて考えられるよ」と。
ついに、音がした。
かっち~~~~~~~~~ん!!!
だーーーかーーーーーらーーーーーー!!!!!!
だーかーらーあーなーたーはーいーつーもーしーめーきーりーにーおーわーれーてーいーるーのーでーすーーーーーーーーーーっっっ!!!!!
まぁ、八当たりもいいといこよな。
分かっている。
分かってはいるのだが。。。止まらない。。。
だったら聞きますけれど、あなたのお国ではお店がもうすぐ閉まるのですが、
そしたらどちらへ行ってお買い物をすればいいのですか??!!
困るのはあなたじゃなく私なのでそんないい加減にプランを立てているのですか?
するとタイミングの悪さでは天性の才能を持っているニックはこう述べた、
「でも、今食べないと、もう食べれないんだよ、おいしいんだよ、ここのフィッシュ&チップス。」。
そんなら、一人で食べてこい――――――ッッッ!!!!!!!!
「お腹空いてないの! 食べたくないの! 心配なの!! 早く薬局にでも行ってコンタクトレンズものとか、洗面用具とか買いたいの!」
するとニック、
「でもさっきは食べたいって言ってたじゃん。」。
だから!!!
何回も言っているけれど、食欲がなくなったの!! 焦ってるの!!
このお店の方は何時までやってるの?と聞くと、
「知らないな~」とiphone持ちながら、しかも実際にそのお店の前にいながらシレッとそう答えるニック。
まったく、人をイライラさせることに欠けては一級品の腕だわ。
「あのね、薬局の方が、確実に、閉まるの早いよ」と、ジットリ声で言うと、
「じゃ、急いで食べてから、急いで薬局に行ってみようよ!」とどこまでも逆撫でしてくるニック。
どんないちかばちか人生じゃおんどりゃ―っっ!!!
と、叫びたいのをこらえ、
だったらテイクアウェイにして車の中で食べようよ、そしたら早く食べれるし、お店にも行けるし、と言うと、「それだったらいらないよ~」とニック。
そして素晴らしく神経を逆撫でする天性を見せ付けるためにこう続けた、
、
「出る時にタンタンのバッグ見た時に、今回はミキは持って行かないんだなって不思議に思ったんだよね~、残念だ。」。
えっ???!!! なんですって??!!!
タンタンのバッグ、ちゃんとあなたの眼に入っていたんですか??!!
不思議に思ったんですか??!!
なのにチラともそれについて口に出さなかったんですか??!!
残念だ??!
残念だ。残念だ。。。って、何が、どう、残念なのよっっ?!!!
そして不満はどんどんどんどん雪だるま式に大きくなり、
しまいにはロンドンまで帰るかというところまでに話は転がり続け、結果、
私達はコミュニケーションの全くない、至上最低な2人組といういつもの結論に至った。
本当に、目新しくもなんともない結論だ。。。。。。。。。。
結局渋滞に巻き込まれながらもなんとか時間ぎりぎりで薬局に滑り込み、
気が付けばもう夜はとっぷり更けて9時半、
またお店に戻り、やっとそのフィッシュ&チップスにありついたのだった。
寒い中、車を駐車して薬局までは歩かなければならなかったせいでとうに体は冷え切っていた私にはボードに書いてあった本日のメニュー”トマトバジルスープ”はとてつもなく魅力的で、迷うことなくオーダーした。
念願のお店にやっとのことで来れて、嬉しそうなニック。
そうだよね、忘れたのは私だもんね、ごめんね。
ニックの推薦に間違いはなく、本当に美味しいフィッシュ&チップスだった!
衣はカリカリさくさく、魚は新鮮!!
衣には牛乳が入っているというので、私はグリル焼きにしてもらってちょっと落胆していたのだけれど、
食べたらその美味しさに嬉しくなった!
久しぶりに美味しいお魚食べたな、という感じ。
これじゃ、普通にお醤油と大根おろしで美味しいだろうな、、と思った。
次回、、があるならばだけれど、マイお醤油持参がいいな。
なんとも疲れた日だったとグッタリしながらも、
車の中から見える夜のヨークミンスターに見惚れて、その日の宿に向かったのだった。
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