財布をすられた後はもちろん動揺して、すぐに部屋へ戻った。
ニックが、またお金を持って市場に戻ろうよ、と言ったけれど、
とてもそんな気にはなれず、、、。
だって一日の決められた予算が全部入っていた財布だったわけである。
今日はエスプレッソも飲めないのか。。。
落ち込むわーーーーーー。。。。。。。。。。。。。。
せめてもの救いは魚とブドウを買った後だったこと。
そして私が忘れっぽいってこと!!
だから夕食時になる頃にはなんとか元気を取り戻し、魚料理を楽しむ気になっていた。
ありがとう。。。。。
とか言ってる場合じゃないって!!
そもそもどうやって財布をすられたのか。
あんまりにもおバカな話で恥さらしなんだけれど、、、
でも怪我をした場所をいじくりまわしたい衝動に駆られるのも確か。
詳細はこう。
市場で、フルーツ屋さんの前で足を止め、ネクタリンを買おうといくつか袋に入れていると、そこの店の見るからにヤバそうなおじさんがドラゴンフルーツを薦めてきた。それを断ってネクタリンを物色し続けていると、今度はニックにドラゴンフルーツを薦めている。
要らないってさっさと言えばいいのに話しかけられるままずっと相手してるなコイツ~☆
と思い、「ニック、私ドラゴンフルーツに興味ないよ」と言うと、
でも、美味しいみたいだよ、とニック。
食べたの?と聞くと、ううん、食べてないけど、と言う。
再びネクタリンを選んでいると、まだニックがおじさんと話しているから、「ニック、買いたいの?」と聞くと、
うん、安いし、買ってみようよ、とニック。
じゃ分かった、2個だけね、と私。
でもまず食べてみてね、と付け加えた。
私がネクタリンにお金を払おうとすると、ニックが私の方を向いて、
「ミキ! 3個でいいか?」
と聞いてくる。
いや、2個、と私。
そして、「食べてみたの?」と聞いた。
すると、「食べてないけど、試してみたいから」、とニックが言うから、
「なんで食べてみないのよ? 味が分からないものなら2個で充分!!」とキッパリ私。
そんな、美味しいか不味いか分からないものを3個も買いたくない。
大体、味見が出来るのに、何が問題なんだ??
さて、そんなことよりも、私はネクタリンのお金を払わなければ。。。とやっとお金を払おうとすると、
そこでまたニック、「待ってミキ、ドラゴンフルーツも一緒に買ってよ!」と言ってきたので、
じゃ~早く選べよ~!!と、私は握っていたお財布をバッグに戻した。(←多分ここで目を付けられた!)
そして待つこと数分。。。
ニックーーーーーーッ!!!
一体何をしてるのーーーーーーッッ!!!
するとニック、
「この人、さっきから2個って言っても3個3個って言ってくるんだよ~~!!」。
そんなの、2個でいいから!!って言えばいいでしょーーーーーッッ!☆★☆
「でも、さっきから3個3個って、言ってくるんだよ~~~~~~~~!!」とニック。
そんなの、袋に自分でさっさと2個入れて、ハイこれって渡せばいいだけじゃない!!
と私が怒ると、
「2個でも3個でもいいじゃないか!! なんでそんなにうるさく言うの!!」
とニックも怒ってくる。
一日の予算が決まってるのよ、忘れたの?!!
でも自分が3個買いたいんだったら3個買いたいっていっていえばいいじゃない!!
そしてさっさと3個買えばいいだけの事じゃない!!
なんでお店の人に薦められるまま悩んでるのよ!!
と私も怒り返した。
するとニック、
このおじさんがなんだか可哀想になって、こんな安いんじゃ買ってあげようって思ったんだよ!
なのになんでそんなに怒るの!!
とまた怒り返すから、
「怒ってないよ!!!!!!」
とまさに怒っている私。
「大体、その”可哀想”って意味が分からないっ!! なんでそんなこと思わなきゃならないのっ!!」
とそのまま怒り続けた。
この時、、、、、、、、、。
確かにチャックの音を聞いていたのだ。
確かにチャックが開かれる感触があったのだ。
確かにいきなり周りが混雑したのだ。
しかし、私はプンプンと怒っているため、しかもニックはこっちを向いているため、
あれ?と無意識の意識で思ったにもかかわらず、
私は口論を続けていたのだった。。。
その”あれ?”は時間にして僅か1,2秒、
しかしこうして今でも意識としてしっかり頭に残っていることが、今回の事件で最大に悔しい所なんだけれど。。。
話を戻す。
10分は続いた口論をなんとか無理やり収めつつ、さぁこれでやっと支払いできるわと思った時にはものすごくイヤ~な予感がして、それと同時にバッグが半開きになっていることに気付き、瞬時に財布が取られたはずだと悟った私。。。
「財布、やられた。。。。。」
とニックに向かってつぶやくと、
「バッグの中をちゃんと見てよ、あるよ、中に。」とニック。
「いやいやいやいやいや、ないよ。。。。。」
と私が言うと、
ちゃんとチェックして!!とニック。
いや、、、だから、、、ないから、、、、、、。。。。。
諦め気分でバッグの中を探ってみると、
案の定、
財布が、
ない。。。。。。。。。。。。。。。。
これでやられたことがハッキリした。
途端、
あ~~~~~、あれだ~~~~~。。。
あ~~~~~、あの音だ~~~~。。。
あ~~~~~、あの時、おかしかったよな~~。。。
と確信。
それでもニック、
「いや、いつもミキはそう言うけどさ、いつもちゃんとあるんだから、絶対あるよ」
と言ってくる。
ないから!!!!!!!と、ニックを睨むも、仕方ない、
ニックに逆恨みしても、始まらない。。。。。
本当に。。。アホか。。。ドラゴンフルーツ2個か3個でモメてる場合じゃないぞ。。。。
カラクリが分かった私は、まちろんお金がないのでもうネクタリンも買えずに、動揺したままその場からとにかく去ろうとしたその時、
ニックが言った。
「ミキ! 心配しないで!! 僕がこれは買うから!!」
いや、もう、欲しくないから。しかもカラクリが分かったから、ここでは買わないから。
と言うと、またニック、
「大丈夫だよ! 悲しまないでよ!! 買うから!!」
と言うから、
ここでは買わないでーーーーーっ!!!!!と叫んだ。
もう私には、前にいたお店の人が2人、目の前から消えたことの意味が分かっていたのだった。
それにしても、ああいう時って体中の血がサーーーーーーッと逆流するような感覚って一体何なんでしょうねぇ。。。
科学的にきちんと説明できるんでしょうね、きっと。。。
他の人もこういう感覚を経験したことあるのかなぁ??
そんなこんながありましたが、鯛を焼きました。
それでも、
あぁ、一体あのお金で何個のドラゴンフルーツが買えたのかしら。。。
なんて思考がふとそっちに戻ろうとするから、それを修正しつつだったけれど。
サーディンに鯛にトマトサラダにロゼにオリーヴにムールにぶどう。
このサーディンが新鮮でとても美味しい。
食べながら、つくづく、せめて魚を買った後で良かったことだよ、、、と思った。
チャリンチャリン音をさせていた小銭をバッグのサイドポケットに見つけたので、
せめての慰みでデザートを用意した。
大きいから、ニックと二人で分けて食べれるパリのお菓子の大きさに感謝!
しかしまだ、
あのお金で何が買えたか、、、を思って落ち込みがカムバックしてくる。。。
しかも、、夕食が終ってからメトロのチケットも入れてあったことに気が付いた!
ってことは、思ったよりもまた被害額が上がったわけで。。。
あぁぁ~~~~☆★☆
他にも何か入ってなければいいが。。。と願うしかないのであった。
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