2013年1月31日木曜日

ゴールデン・グローブ2013


今年も色んな賞レースの時期がやってきた。


ゴールデン・グローブ賞はその皮切り。




アカデミー賞よりも全然ざっくばらんでクダけた感じなので、その姿を観るのが楽しい。



アデル、さすがにたくさんの賞を取っているだけあるというかイギリス人らしいというか、落ち着いていてキュートな姿&スピーチだった。


以前意味不明な中指立てがあったけど、そんなことする必要全くなしな貫禄だったしユーモアもあり。


ジェームズ・ボンドの『スカイフォール』はあんまり好みじゃないけれど、なかなか可愛い人だと今回思ったのでずっとそのままでいて欲しい。





やはり、『アルゴ』で獲ったよ。




良い映画だし、受けも良さそうだし、私も映画館で観ながら、こりゃ~獲るな、、、なんて思っていたんだけど、、、



実は私にとって致命的な事を最後の最後でしてしまってくれたのだよ。。。



映画の後半、終わり近くになって流れるBGMに、『スパイ・ゲーム』でも使われたBGMが使われちゃっている。。。



本当に、どうでもいいことなんだろうけれど、私にとってはとっても痛かった。


その曲が流れてきたとたん、ぶわ~~~~っっと『スパイ・ゲーム』の世界に一瞬にして飛んでしまったのだ。。。



あるごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~っっ!!!



さよーーーならーーーーーーーーーーー。。。。。。だったのである。。。。。



そんな、つまらないことにこだわって、、と思われるだろうとは分かっている。


分かっているのだが、もう、耳が、ダメなんである。。。




お願いします、世界中の監督さん。


そこら辺のことは厳重にチェックして、お願いだから一度でも使われた曲は使わないでおくれ。。。






それにしても、スピーチがつまらなく、ガッカリ☆


どーしたベン?









もちろん彼も獲った。


日の出のニワトリのような騒がしさも全く衰えるどころか加速しすぎ。


途中、シャンペンをぶっ☆と噴き出していたけど、周りの女優さんにかからなかったかしら?








彼女、苦手。。。



最近パンツはかずに深いスリット入りのドレスで車高が高い車から出てきたところをパパラッチに撮られ、モロ丸見え写真がばら撒かれたばかり。


彼女は前にも同じようなことがあって、


「こういうことがビジネスになるのはとても悲しい世の中です」


と言っていたけど、



パンツはこうよ。






アンとは反対に、



可愛い。素晴らしい。




アンのキャピキャピなハイ度の横で、落ち着き感がいっそう際立っていた。









相変わらず、かっわいいいいいいい!!


文句なしに万歳。




最近見ないなぁ、、と思っていたら、ドラマの方で活躍中ということ。

大人になっちゃったよな~。

すごく可憐だったジュリエットの時が鮮烈な印象のまま残っているから、時が流れたのを実感。

イイ女になってくれていて嬉しいけれど。







今回初めて見た顔だけど、なかなか興味が湧いた。


ブラッドリー・クーパーと付き合っているらしいからますますこれから露出度が増えるのかな?


そういえば、横に座っていたブラッドリーは賞獲れなかった時に結構残念そうだった顔をしたのが印象的だった。


だって賞レースに出れたような俳優だなんて今の今まで知らなかったぞ。






整形顔と言われ、お馬鹿発言で有名になり、スピルバーグも怒らせて映画降板になったのもなんのその、


この美しさは絶好調。


整形したからってこんな顔にはならないでしょう。








今まであんまり気に留めたことはなかったし、ナオミ・ワッツ系統の忘れやすい顔だと思っていたシエナ・ミラーだけど、


なんとなく薄汚れ気味のようなハリウッド俳優の中で、


やはりモデル出身なだけあるなと思わせる綺麗さとフレッシュさだった。


このドレス選びすごい。






姉御。


好き好き大好き。


もっともっと突っ走って欲しい。


そういえば、弟が彼女とぺネロぺ・クルス共演のちょっと前の映画にやられてしまったらしいけどそりゃ~やられるわ。。。、








久しぶりにお姿拝見。


このドレスをここまで着こなせるのはあなただけでしょう。


美しい!





うわっ☆ 出た!


確かこんなドレス、以前にも別の女優が似たようなものを着ていた記憶があるけれど、、、


トム・フォードのものだという。


そういえば、トム・フォードの初映画『シングルマン』でコリン・ファースと共演していたっけ。












それで今回話題になっているのがこの人。


カミングアウトだということで、らしい。



会場の女優達は涙ぐんだりしていたけれど、私にはジョディー・フォスターの口調が恐かった。。。

よほど、嫌な目ばかりにあっている人生なんだろうなということは分かった。


大変そうだな。






彼女がテレビに映った途端、叫んじゃったよ~~!


私にとってはずっとエレイン、大好きさ。




そして私が大好きだったジェシカ・アルバ。

プレゼンターで出てきたけど、痩せ過ぎだよ~。






ハル・ベリーもプレゼンター。


あれっ?


アンジェリーナ・ジョリー??






二コール・キッドマンは何を着てんだ?!



と思ったけれど、実は左のようなドレスらしい。




二コールでさえ、着こなしが難しいなんて最悪なドレスだ。。。






ヨシキが出てきてビックリした。

それで、いつものように、壇上でもずっと髪を触っているのだったけど、


彼じゃ何してもいいよ、、と、ヨシキについては何にも知らない私も思うのだった。






そして2013年のゴールデン・グローブ授賞式で一番印象に残った人と言えばケビン・コスナ―。


ほんっとにつまらない受賞スピーチがだらだらだらだら、よくもまぁ、俳優女優のくせに、こんなにも型にはまったことしか言えないもんだわさ、、と思っていたら、


彼だけが〝俳優”だった。


式が終りに近づくにつれて、もしやゴールデン・グロ―ブなんて最近出来た格がものすごく低い賞だったっけ?とも思えてきていた矢先だったので、


彼が壇上で彼の初めてのゴールデングローブ授賞式体験のことを話し始め、その時はまだ誰にも話しかけられることもなく、ただただグレゴリー・ペックが受賞するのを眺めていたという思い出をとつとつと静かに語るのを聞いて、


あぁそうだった、そんな人達もちゃんといた賞レースだった、と思い出した。


そうしてそれでやっと、あなた誰?ここで何しているの?ジェニファー・ガ―ナーってなに??のようなゴールデン・グローブ賞が少し吹き飛んだ。







ジェニファー・ロペスは特別に、そのおしりに免じて登場してもいいけれど。








しかしそれにしても、スピーチで奥さんにモノすっごく気を使ってサンキュー連発するのは昔からだけど、

あんなに関係者の名前ずらずらずらずら言ったりしていたっけ?



しかも、みんな、誰かの名前言うの忘れてないか?大丈夫か? 忘れてたら教えてくれよ!的なことばかり言っているし、




いったいどうしたんだ?????



2013年1月29日火曜日

ヒッチコック映画『裏窓』





今年はヒッチコックについての映画が2本あって、

アンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレンの方は2日前にもう劇場公開になった。


アンソニー・ホプキンス好きだけれど、あと一つの映画の方のヒッチコック役の俳優は私的にはイマイチ残念な感がある☆



とはいっても、ヒッチコック映画、ではなく、ヒッチコックを描いた映画なんて、


あんまり見たくないな。。。


知らなくてもいいことっていっぱいあるよね。。。



ヒッチコックも自分についての映画が出来るなんてさぞびっくりだと思う。


映画の内容が彼にとってあんまり厭な感じに描かれていないことを祈るばかり。


そっとしといてあげよーぜ。





ところで写真はもちろん、映画『裏窓』から。


小さな時は映画館で、今はDVDで、数えきれないくらい何百回も観てるほど(どんだけヒマだ?)、ヒッチコック映画の中でも特に大好き。


去年BFIでやっていたヒッチコックフェスティバルの時にやっていたので、大きなスクリーンで観たくて行ってきた。







すっかりDVDの『裏窓』に慣れてしまっていたらしく、


久々にスクリーンで観たらどこもかしかこも細部がくっきりで、まるで本当にジェームズ・スチュアートの部屋にいて向こう側に見えるアパートの部屋たちを一緒に覗いているみたい。

彼が握ったカメラのレンズから私も色々目撃していたみたい。


もう、最高に面白かった。



さすがカメラワークの巨匠、そういう効果もしっかり計算されて作られていたんだよな~と再認識。





ところで小さな頃、父親のいる下の部屋から私のいる2階の部屋に内線が入り、


ちょっと下まで来るように言われた。



部屋を開けると中は真っ暗。



しかしそこで見てしまった、映画とそっくりな○○を!



そしてキャーーーーーーっっ!!!!!と、まともな悲鳴を上げてしまった私だった。



そんなことのために内線使って呼び出した父。

それは『裏窓』を見た人なら分かるネタなのだけど、どんな遊びを父親は当時まだ幼い娘にやっとんねん!!と、



今思い出しても本当に不思議な人だ。。。



そんないじられ方をして育ったせいで、こんなミステリー好きになってしまった訳であった。

















しかし、グレース・ケリー、あり得ない完璧さ。


神々しいほどの美しさで目が眩む。



観終わってからトイレに寄ったのだが、そこにいた女性皆が皆、ため息をつきながら、



「彼女、パーフェクト過ぎよね。。。」とつぶやき合っていたのが可笑しかった。









こんな女性がこんなドレス着て、遊びに来るか? 羨ましすぎな主人公の男だな。


しかも迷惑がっているし。


おいおい、、と説教の一つもしたくなる設定だ。








しかもこんな図。

足折って車椅子に座ってヨレヨレパジャマ着た男ジェームズ・スチュアートを愛する女性は彼の前でリラックスモードでもこんなにゴージャス。


すごい、すごすぎる、


グレース・ケリーの凄さを存分に発揮したこの姿。


これってもしかして、フツーの人の”寝そべって”いる姿なのか?!














ジャケットを脱ぐとまた優雅。


ところで私が小さな頃、いつか結婚することがあっても、それはきっとジェームズ・スチュアートのような人なんだろうなと思い込んでいた。やたらジェームズ・スチュアートが好きだった。


ある日そう父親に言うと、



「へぇ~~っ!! ゲーリー・クーパーとかグレゴリー・ペックとかじゃないのか?!」


変わっているなぁ、女の人にはその二人の方が断然人気なんだと言われた。



いや、その二人じゃないんだな。いまだに。








そんなわけで、どうしようか迷っていたのだが、こうしてしっかりとBFIのメンバーになった。


そうしたら、このメンバーズカード!!!



嬉しすぎる。。。。。。。










2013年1月28日月曜日

大英図書館と島田荘司



キングスクロス駅までヒューとクレアの見送りにやってきて、いつも通りついでで寄った大英図書館。



するとこんなことに!!







心臓がズッきゅーーーーーーーーーん!!!



普段からMURDERとかCRIMEとかいう本を見るとワクワクする私なのだが、




それが、偶然にも寄った場所でこんな展示会にブチ当たるなんて、心臓どころか五臓六腑が跳ね上がるじゃあないか。。。




どきどきしながらその小さいスペースを回ると、ミステリーファンにはたまらないことになっていた。





こんなことやっていたのか、、いつの間に、、、という、焦りが途端に襲ってくる。


世界からいきなり取り残されたような、荷物だけ乗せたまま去っていく列車を追いかける無駄な努力というか、そんな焦燥感のようなフツフツとした泡が発生、ついには呼吸困難に!!なんて独り言をぶつぶつと。。。




この偶然に単純に喜べばいいのだけど、


普段あんまりにも情報通ではないことに思い知らされてうちのめされるのであった。



だってさ、これ、見逃してることになったかもしれないんだぜ、


いつもきっと色々見逃してるんだぜ、



とまたぶつぶつ。。。
















コナン・ドイル直筆のものがあって、見た時は感無量だった。


次はニックがいない時に出かけてきて長時間過ごしたいものだ、、、などと考えていると、奥の方に、


なんと!!



島田荘司さんの『占星術殺人事件』の英語版、


『TOKYO ZODIAC MURDERS』


があるではないか!!!!!!!



素晴らしい!!!!!!


日本が誇る、ミステリー作家、こんなところに、コナンドイルの目と鼻の先に、一緒に展示されちゃってるよ~~~~~~~~っっ!!!!!!!!



狂喜乱舞。



がはははは!!!!!




とうとう分かり始めたか!!!!!



日本のミステリーの素晴らしさを!!!!!



島田荘司の偉大さを!!!!!




と、やっと落ち着いて見始めたら、



なんと!!!!!!!!





ネタ明かしがされちゃってるよ~~~~~っっ!!!!!!!




絶句。




この本を読んだ人は分かると思うけれど、


あの、強烈なページが、そのままバーンと開かれて展示されちゃっているんだよ。




ダメだよ、ネタは明かしちゃ。ミステリーファンへの裏切り行為だよ、



これから読む人、どうすりゃ~いいんだ。。。



どうしよう、どうしよう、、本当にどうしよう。。。。。。



私は悪くないぞ、なのにどうしよう、悪いことをしている気分だ。。。。。




それもこれも、勇気を振り絞って係員に言ってみればよかった、、という罪悪感にさいなまれているのが理由で、



今もとても嫌な気分のままでいる。



あの展示会、いつ終わるのかな、



もう終わるかな、



島田荘司さんの本をここイギリスでも知っては欲しいけれど、



でも、あの展示はどう考えても頂けない。。。



こんなに厭な気分になるならきちんと大英図書館のその係の人に掛け合ってもらえば良かった。。。


でも、「お前に何が分かるんだ」とか言われたらそれはその通りで、


そこをしっかり分かってもらえる英語力が私にあるかといったらそれもなし、


ただ単にロンドンに住んでいる一ファンがその作家の本の展示がどうのこうの言ってすんなりあぁそーですか、という流れではないだろうし。。。






ああ、島田荘司さんはあのページを展示するのにOK出すのか凄く疑問だ。。




いやいやでももしかして、きちんとそこまで知った上で展示OKしたんだよね、きっと?



そう願っている。










2013年1月26日土曜日

クリスマスケーキが今頃やってきた




ニックの両親クレアとヒューがやってきた。


お土産をニックから手渡されながらその缶の大きさにびっくり重さにびっくり。



何コレ?と聞くと、


「クリスマスケーキだって」と。







クリスマス・ケーキ?????





なんで、今?????



クレアのクリスマスケーキは好きなので有難くもらっておくけれど、


なぜ今?????



アルコール漬けのフルーツがたっぷり入った彼女のいつものクリスマスケーキ、


大きさが大きさなんでそのアルコールの量もハンパじゃなかったのだろう、


缶のフタを開けたとたん、ものすごく濃厚な香りが私の顔を直撃した。






なんでだ~~~~??


なんでなんだクレアよ~~~~~!!!??




クレアに、「これってクリスマスの時の食べなかった分を持って来てくれたの?」と失礼にならないように気をつけながら聞くと、


「ノ―ノ―、ミキ、 今回ロンドンまで来るからってミキのために作ったのよ!」とクレア。


失礼に聞こえちゃったかな?!と焦り気味に、


「そっか! そうなんだね! ホラ、これってアルコールいっぱい入っているから何カ月も持つでしょう? クリスマスの時にいつも余分に作るから、それかなって思ったの! わざわざ作ってくれるなんてありがとう、嬉しいです!!」って返しながら、




わざわざ、クリスマスケーキを?!!!



そりゃ~好きだけど、、、好きって言ったけどさ、、、



クレアって面白いよな、、、と思ったのだった。







ところでこんな大きい缶よく家にあったな、

缶って今高いし、これも結構な値段するだろうな、、と思いながら、キッチンでみんなで食べるためにカットしていた私(写真に見える右下端の所を4人で食べたのだから、このケーキがどんだけ大きいか分かる!)は忘れないうちにとクレアの所に戻り、


この缶は今持ってホテルに戻るか最終日に持って帰るかと聞いたら、


「ノ―ノー、ミキ、その缶はミキへと思ってお店で探して買い求めたのよ、そのサイズのケーキを入れなきゃと思って探したから大変だったわ!」とクレア。




そりゃ~私って缶が大好きだけど、、、



やっぱりクレアって面白いよな、、、と思ったのだった。




ところでこんなに大きいケーキ、よく中が生焼けとかにならないな、と思って何度何十分オーブンで焼くのか聞いてみたら、



「150度で3時間よ!」



と言われ、一瞬、私の英語能力ももうここまできたか、、と思ったら事実だった。



すごいぞクリスマスケーキ。。。




これで当分は甘いものに困らないと思う。





2013年1月23日水曜日

ロイヤルアカデミー・オブ・アーツのブロンズ展



ちょっと前のことになるけれど、ピカデリーにあるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、通称RAに行った時のこと。


この展覧会、今まで見た中では一番面白いものが集まっていて、ものすごい展示物の数で所せましな中に人たくさんという苦手な状況にもかかわらず、ブロンズ好きの私は舞い上がりっぱなしだった。


チケットは14ポンドというロンドンにしては高い設定だったけど、どうしても行きたかったのはこの写真の垂れ幕にもなっているブロンズを宣伝用ポスターで見かけた時に圧倒されたから。


すんごい顔だな!!と、一瞬にして惚れてしまったのだった。



それで家に帰ってネットでどんな展覧会なのか調べたら、大きな話題になっているのは別のブロンズで、1998年にシシリ―の漁師のネットで拾われた「Dancing Satyr」というもの。調べた結果、4世紀のギリシャ芸術だと分かったという。



へぇ~~、その漁師さんアート心があったのかね~、私がそんなの拾っても、ガラクタだと思って捨てちゃうよな、きっと、、、なんて思っていた。










そんな事を思いながら、ずっとタイミングがつかめないまま時が過ぎ、もうそろそろその展覧会も終わってしまうぞ、、多分行けないぞ、、と思っていると、ある日いきなり数時間だけポッカリ時間が出来た。

もうこれを逃したら次はない、と体調が良くないニックを誘い、あたふたと出かけて行った。


前売りチケット買ってなかったけど大丈夫だったことに喜びながら一番最初の部屋に入った途端、いきなり中央にド――――ンと置かれていたのがその「Dancing Satyr」だった。


2メートルほどもあって、とにかくデカイったらない。


その緑色の体がライトの下で、空に飛ぶような姿をして目の前にあった。





つい入口に立ち止まってしまったまま動けずにいた自分に気付き、やっと周りを見渡す余裕が出来ると、その部屋は円く、なんと全ての壁が真っ青。

まるで紺碧の海の底にいるようだったから、まるでそのブロンズが人魚のように優雅に泳いでいるようにも錯覚してしまうほどだったのだけど、


実はSatyrとは尻尾があって長い耳があるギリシャの半人半獣の森の神サテュロスのことで、酒と女が大好きなんだって。



そんな神が楽しく踊っているのだな~と、彼の周りをグルグルグルグル歩いてみたけれど、


やっぱり海の底にいるみたいに感じた。


シシリーの海をずっと泳いでいたからこんな青にしたのかな、


すごい演出だな、



と、RAのセンスに脱帽。



そういえば、来る前は、そのシシリーの漁師さんは芸術とガラクタの区別が出来てすごいなぁとか思ってたけど、こんなのが網にかかったらそりゃ~ビックリたまげただろうな。




(しかし後でもらったパンフレットを読んでいたら、同じ漁師さんがその前年の1997年にこのブロンズの左足を拾っていたというから、1998年の発見はそんなにビックリでもなかったのかな。。)











結局、私がこの展覧会に行くキッカケとなったブロンズはずっと奥の方の部屋に他のブロンズたちと一緒にちょこんと置いてあった。

宣伝にもなっていたものだから、なんとなく、「Dancing Satyr」みたいに一点隔離の豪華展示なんだろうと勝手に期待していた目がそれを見た時には最初とっても驚いてしまった。


スペースのせいか? 何故だ?



さっきの青い部屋のような照明を当てて他と離して飾ってあげたらさぞかし迫力があっただろうに、、と少し残念にも思ったけれど、でも、それでも素晴らしさには変わりなく、逆に力入れて効果を狙った展示よりも本来の姿がそのまま見れたってことで良かったのかな。


白いライトの下でフツーに置かれていてもその顔は凄かった。


ちょっと怖かったくらい。




タイトルは「Damned Soul」だって。やっぱり怖い。





と、そんなわけで、聞けば150点もあったというこの展示会、14ポンドじゃ安過ぎる!有難い!!と感激しながら帰途に着き、この後もともと調子が悪かったニックと二人して寝込む事になるのだった。。。


ニックには本当に悪いことをしてしまった。




こういう展示会は私はつい気合入れたくなってしまって、丸一日開いた時とか気持ちに余裕がある時なんて思っては日が過ぎて行くけれど、目を付けていた展覧会がオープンしたらたとえそれが短い時間でもすぐに行っておいたほうがいいな、、と痛感したのだった。



2013年1月21日月曜日

ロンドンの湿気


今年は暖冬に感じているのだが、こうして雪景色を見ていると、相変わらずなロンドンの冬だね~と思う。




私のいるフラットは古くて天井が高い高級な建物ではなくて、わりかし新しく建てられているものなのに、それでも隙間風がビュービュー入る。



エルキュール・ポワロが〝襟巻”を首にきっちり巻きながら、このイギリスの建築にぶつぶつ言っているのが聞こえる。




日本の湿気にんざん文句を言っていたニックだが、ロンドンにいざ住み始めると、梅雨どころか一年中が湿気だらけの国がここイギリスだと、ようやっと気付いたらしい。




とうとう湿気取りまでネットで買い求め、8個をクローゼットにぶら下げたが1週間で早それは水パンパンになっている。



結構な値段のするこの湿気取り、このままじゃ一体いくらかかることやら。。。


と、悩んでいると、ニックが提案。


「隙間風が入ってくる場所を何かでふさいじゃえばいいんだよ!」。




そんな訳で、フラット全体は無理でも、せめてクローゼットの中だけは、、と木工用ボンドでひたすらふさいだ週末となった。



乾かすのにも時間がかかり、ドライヤーでぶおーーーーっとすること5時間に数回。



花のように華やかなロンドン生活とはどんどんかけ離れて行くこの現状、どうよ??



クローゼットに服を入れ直して全て終えて立ちあがると窓から見えるのはこんな暗い景色。。。













キッチンに水を飲みに行ったらこの風景。



ひたすら、ただ暗い。

2013年1月20日日曜日

和の贈り物


京都で住んでいたアパートの大家さんの娘さんからクリスマスに届いたプレゼント。


生粋の京都人の彼女は、和食に欠かせない食材を送ってくれるのでとってもありがたい。


昆布などはダシが大好きな私は味噌汁や鍋料理はもちろん、チキンスープにでさえ入れちゃうから、本当に重宝している。


この他に、〝おかか”も入っていたけど、それもすでに半分以上使ってしまった状態でキッチンにある。




ところで、あれ? 「ねばる昆布」の上に、マキから届いたものが紛れ込んでいるぞ。


とにかくこうして並べてみると、和の食って素晴らしく個性的だ。





その中でも今回興味シンシンなのがこれ。


お米と一緒に炊くだけらしいが、簡単かつ美味しそう、しかも化学調味料が入っていないというから嬉しい。


いつ試そうかな。お雛祭りの時にしようかな、と考え中。






そして、かなり以前から気になっていたこの食材。


あんまり料理が得意じゃないせいか、こういうのにやたら尻込みしている自分がいるのだけど。。。





私もとうとう塩吹昆布を使える女性になれるかも!?と期待大。



サラッと使ってポンッと美味しい煮物なんかをおやつに出せるおばあちゃんになりたいなぁ。






そーだ、この日記書き終わったら夜食に頂こうかな!  美味しそう!







そしてもうとっくに食べてしまったこの抹茶飴、おいしかった~~~っ!!


さすが辻利か?! 辻利だからなのか?!!


と、ニックと二人で取り合いのようにして完食した。



実は郵便局に用事があって出向あいた時に、その場にいた4人の郵便局員さんにも一つずつだけどのおすそわけをしたところ、とても喜んでもらった。



”グリーンティー”というのは既にブランドのようなもので、ロンドンでも日本スーパーなどで簡単に手に入る。が、実はそこまで浸透はしていないという現状の中、緑茶ではなく抹茶飴というのが受けたのか。。。



パリでは和を楽しむ人がとても多く、なにせトラヤがあるほどで、フランス人って本当にすごいな、、と感心するほどだったけれど、イギリスがそこまで到達するにはまだまだ時間がかかるのだろう、、、と漠然と思っていたら、こんなにも喜んでくれたその反応にこっちがビックリした。




美味しいものは世界共通美味しいって思わせるんだねと、今更ながら思った。




そして今更ながら、こんなに良い贈り物を日本から送ってくれる久代に感謝。





これからゆっくり、大切に大切にこれらの和の食材を使って、後少しの冬を乗り越えようと思う。






2013年1月18日金曜日

レモンたっぷりべイクド・チーズケーキ


ロンドンにもチーズケーキはたくさんあるけれど、軽めのふんわりした、レモンたっぷりなのが好みなので自分で作るようになった。


それにしても、作る度に、べイクド・チーズケーキはシンプルなだけに本当に奥が深いなぁと思う。


何回か試してみて、今のところなレシピ。




  • クリームチーズ250g
  • 砂糖60g
  • 生クリーム200g
  • レモンの汁1個分
  • レモンの皮1個分
  • 卵2個
  • 小麦粉大さじ3
  • 塩一つまみ



これを全部合わせて170℃で40分。







目指すは大昔に食べた、工場直送のようなケーキショップ『シャトレ―ゼ』に売っていたレアチーズケーキのようなべイクドチーズケーキのような、そんなもの。


色んなチーズを使わないで、あくまで「フィラデルフィア」の安い家族用パックのクリームチーズだけ、チープっぽいけどチープではなく、素朴で子供でもパクパクって食べれちゃう、そんなもの。



この出来上がり最後にアプリコットジャムをレモン汁で薄めたものを上に塗ったら、見かけも味も、もっとシャトレ―ゼのものに似るかもしれない。それは次回の課題にしよう。





ところで軽い口当たりにはなってもそこはこの材料、あんまり健康的とはいえないのがツライところ。

なのにレモンでますます酸味が強く、大きなカットをサラッと食べてしまえるのがこのレシピのコワイところ。


だったら最初からイギリスのドッシリ系チーズケーキの方が食べ応えがあって、少量でお腹いっぱいになるからダイエット的には同じかもな。。。








おまけ写真の今日の風景: ベッドルームから。

2013年1月17日木曜日

とうとうダメになるらしいhmv



先日、hmvオックスフォード店の方へ寄ったら、CDやDVDにバッテンのシールが貼られていて、

それは全部25%OFFという。


ニックに教えてもらって初めて気が付き、それならと本腰を入れて大量買いしようと店内を巡るもお目当てのものは見つからず、その内に疲れてしまい、結局買ったのはDVDとCDをたった1枚づつ。

淋しいこっちゃな~とは思うけど、もともと店内に長くいることが出来ない私のショッピング嫌いもあるが、しかしhmvではお目当ての物が無さすぎ。


あれもないこれもないとやっていると段々面倒くさくなってきて飽きてしまうのだ。  


本当にいつも思っていたものだが、hmvの品揃え大嫌い。



今回もセール期間中とはいえ、欲しいものが全然見つからない。


売れたDVDは補充しないままなのに、いつまでも映画のタイトルが付いた黒い区切り板だけは置いたまま。


これ、いつ入って来ますかね?と訊けば、


「注文にしたら1週間で入って来ます」と言われるが、


だったらショップで買わないでネットで買うわいっ!☆


と思う私。


店に来る意味はあるのか?!と問いたい。



並べ方にも何年経っても変化は見られず、各ショップごとにそこの店員がお勧めする○○コーナー”のような企画があるわけでもないから面白味もなく、ハリーポッターはもう長い間、高く積み上げられている。



大手だから、まー仕方ないかと思うけれど、それでもこんな経営でいつまでもよくやってるよな、と思いつつ、「でも、こんなバッテン印で売ってるようだからそろそろダメだね。。。」とニックと店を出る直前で店員に、いつまでこのセールがやっているのか?と聞いた。


いくらなんでも他にも物色したらなんかあるだろう、また戻ってこよう、、との気持ちからである。

すると、

「在庫があるだけ」と店員。



ってことは、とうとうダメになるってこと!???






そして帰宅後。


ニックから、買い手が今までは何とか見付かってきたhmvだけど、それも無理になりそうだと聞いた。


そう聞いた途端、今までちっとも好きなんかじゃなかったhmvだけど、もうアブナイもうダメだと長年の間ずっと言われ続けながらもやってきたhmvが本当に無くなったら淋しいな~と思った。




そしてその夜メールチェックすると、ちょうどhmvからも届いていたので開けてみると、

”あなたのポイントこれだけあります”メールだった。


どれどれ、、と思って見ると、一番低いポイント数でゲットできるのがhmvのTシャツで、


それにはあと80ポイントが必要だということだった。



いらん、、


Tシャツなんか、いらん、、、、、、


と思わずつぶやき、


こんな商売してるから潰れるんだーーーっっ!!と思った。



ニックにそう言うと、


「あ~、でももうポイントも使えないよ、きっと。」と言われて、試しにTシャツをクリックしてみたら、



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It will be up and running again very soon.




と出てきた。



するといきなり、多分胸の中央に大きくあのピンク文字でHMVとプリントされているであろうそのダサダサなTシャツが俄然欲しくなる、そんな俗物な私なのであるが。。。




誰か、hmvを買ってあげてくれないかね?








『太陽がいっぱい』

もとは10ポンドが25%OFF。だいぶ安く感じるけど、DVDなんて最初から安く売ろうぜ、、。。。















2013年1月16日水曜日

大久保祐映さんの死

大久保祐映さんという名前の大学生が死亡している状態で発見されたという。



死因は髄膜炎の可能性も、と。





山形大学理学部の2年生だった彼は、


10月31日の朝の5時11分という時間に119番通報したのだが、しかし自力で病院に行けると判断され、救急車は出動しなかったという。


そしてその9日後の11月9日に遺体で発見された。


死体検案書というものによると、亡くなったのは11月1日というからなんとも辛い話だ。



電話で対応した職員は、大久保祐映さんに病院の電話番号を書き取らせ、タクシー会社の電話番号を番号案内の「104」で聞くように申しつけた。


しかし、大久保さんが電話をかけた痕跡はなかったという。




この記事を読んだ時、


100%、職員側が悪いとすぐに思った私。


なぜなら、私も全く同じ経験をしていたからである。



私が23歳ぐらいの時、痛み止めをガンガン飲んでもビクともしない猛烈な頭の痛みに耐えられず、生まれて初めて119番通報した。


自分で言うのもなんだけど、小さいころからあらゆる痛みと闘ってきた私は人に比べて痛みに強い。


いつも感じる痛みを誤魔化して毎日を過ごしているようなものだったから、フツーの痛みなんてヘッチャラだったのはその頃も今も変わらないが、


しかしその時の頭の痛みやるや凄まじかったのは今でも覚えている。


まさに、自分頭を机にぶつけていたくらいで、それを何時間か続けた後はとうとう金属バットででも殴ってもらいたいくらい、どうしようもない痛さ。


痛み止めを飲んで横になり、数時間を苦しんだ後、


とうとう119番をしたのである。



どうしていいか一人では分からず、119番なんて自分だってしたくなかったが、これは非常事態に違いないだろうと判断しての末だった。



救急車なんかが音立てて来たら、恥ずかしいなぁなんて心配もチラッとはしたが、それよりもその激しい痛みに、自分に何が起こったのかワケが分からない恐怖があった。


そして、今よりずっと若いとは言ってもそれでももう23歳、電話口では丁寧な言葉使いを意識し、そうすることで少しでも平静を保とうとする気もあったのか、それこそ体の力を振り絞って冷静に自分の状況を伝えた。


すると。

いくつもの質問攻めにされた後、

「本当ですかぁ~?」と、なんとも間の抜けた声が返ってきた。


はい、かなり痛くてどうしようもなくて。。。


と伝えると、


「でも~、こうして電話、自分でかけてきてますよね~?」と言う。


一瞬相手が何を言いたいのかが分からず、


「はい、そうです、痛いのは私で、私が自分で電話しています。」


と言うと、



「じゃ~、そんなにひどくないんじゃないですかね?」と。



えっ??



「いいえ、かなり痛くて、こんな、今まで経験した痛みでそんなにひどくないなんてことはないと思います」


と、今でもはっきり覚えているが私はそう言った。

予想していた展開とは全く違う。。。




でも、いるんですよね~、ちょっと痛い程度とか、自分で行くのが面倒くさいとかで119番通報する人が、、と言うので、


あっ! そーか、そんないたずら電話なんかする人いるんだ!?と私はいきなり自分もそう思われているのかと思ったら焦り、必死になって、自分は普段痛みに強いこと、それなのにこれはフツーじゃないと感じると伝えた。



しかし、「あぁぁ、、、普段から体そんなに強くないんですねぇ? よくあるんですねぇ?」と、そっちに話が進んでいく。


一生懸命説明するが職員にはいっさい助ける気がないのが分かる。



するとその職員、私のことを周りに伝えているのか、それとも別のことを無線で他の職員に言っているのか、朦朧とした頭に何かが聞こえてきている。


お願い、助けてよ、、、と思っていると、


言われたのが、


「でも本当にひどかったら意識失いますからねぇ」。









びっくりした。







そしてここが私のいけないところだが、そんな状態と状況で、


なんと、力なくも、笑ってしまったのだ。





思い余って生まれて初めて119番したにもかかわらず、そんな、気のない職員の、どうしても救急車を出したくないんだという意思が、世間知らずの私にもしっかり伝わって、



なんか、すごいな~、


大人って、こういうこと、平気で言ったりしたりしちゃうんだよな~、


と、23歳でしっかり大人に分類される年なのに、そんなふうに思った自分をよく覚えている。



そして、



「それは、もちろん、意識はありますけれども。意識があったらこうして電話できていないわけですから」


と言うと、その職員、


「そんな冷静に話せるってことは大丈夫ですよ、お近くの救急病院にでも行ってください」。



しかし時は週末かなんかで、確か病院が開いていず、加えて足がなかった。


そもそもそんなことを調べる余裕なんて全くないのだ。


こうして電話しているのが、実はやっとなのだ。




そうしてそのことを伝えると、


「地域には必ず救急病院というものがあって、そこが対応しているはずです」としか返ってこない。


しまいに今回の事件と一緒のセリフ、



「104番にかけて調べてください」。


なんだか自分でもだんだん大丈夫なような気になっていった私は、全てが面倒くさくなって、そのまま話を終えた。



その時に受話器を下ろしながら、


この人達は私がこのまま死んじゃっても何も感じないどころか、そんなことも知らないままでいるんだろう、、と、そんなことを思ったのを覚えている。



そしてその後どれくらいが経ったのか、目が覚めた自分に気が付いて、気を失っていた自分がいたことを知った。


いや~初めてだわ~、本当に気を失ってたのか~と思い、


さっきの職員に電話して、「いやあのですね、さきほど意識を失いましてですね、、」と言ったら、


「でもまた意識戻りましたよね~こうしてかけてきてるんだから。」と言われるだろうと想像して笑えた。



いや、笑っている場合じゃないぞ、、と新たに受話器を握りしめあちこちに電話をかけ、唯一開いていた病院を探しだしたらそこは漢方の病院。


しかし藁にでもすがる状態の私はとにかく最大の効き目がある痛み止めさえもらえればそれでよく、父に頼んで行ってもらった。




痛み止めをもらい、そこで丁寧に親切に扱われ、それだけでホッとしたのを覚えている。




もらった痛み止めをその場でひったくるようにがぶ飲みする救急夜間で来た患者に驚いたのか、



帰り際は看護婦さんと先生が揃ってドアの所に立って「明日はきちんと病院に行きなさい」と言って見送ってくれた、その心配そうな顔に、とてもありがたく感じたのを覚えている。




そして部屋に戻るなり倒れたのだった。



次の朝、弟の剣道の合宿だったのかよく覚えていないが、付き添いで家にいなかった母親が戻ってきていて私を起こした。


ちょっと、ちょっと、病院へ行こう、と。



私は昨夜飲んだ大量の漢方の痛み止めが効いたのか、気分はボーーっとしているし吐きそうだけれど、気分が飛んでいてなかなか良かった。


もう金属バットでは殴って欲しくないな、、、なんて思っているから、あの救急職員が疑ったように、もしかして一時的なものなんかな。。とまで自分のことも疑い始めていた。


なので、「吐き気がするけど、でもだいぶマシな気もするし、寝てたら治るよ」と、どうしても外出なんかしたくない私は言い張ったけれど、


「何言っているの!! 服着たままぐったりしているのを今何回も呼んで起こしたのよ! 病院に行かなきゃ絶対ダメ!」と母。



その時、私も直感があったのか、 案外素直に、じゃ、行っておこうか、、、と私も思い直し、大きな病院に行った。



先生にはどんな状態だったかはいっさい言わずに診察が終わり、話があるからと別室に行くお医者様と母を眺めながら、早く帰りたいな~、特殊なインフルエンザかなんかで注射とかして、家で寝てなさいって言われるんだろうな~、、、なんて気楽に構えていたら、



いきなり母親の叫び声を聞いた。


そして、先生、先生、本当に大丈夫なんですか?!!と繰り返すばかり。



しょーがねーなー。。。私の母、また気がすぐ動転するからやりにくいったらないんだよな~。。


と、なになに、どうした??と聞くと、


「ミキちゃん、よく聞いてね、、背骨に針を刺すっていうの!!」と母が騒ぐ。



直接先生に話を聞くと、髄膜炎の可能性があって、髄液を取りださなければならない言う。


それを取り出して調べないことには、髄膜炎にかかったかどうか分からないと。


それで、先生にその時になって初めて昨夜の状態を話し、あんな痛かったのに今はそれに比べたらかなり良いこと、それを考えたら大丈夫そうだと言うと、


髄膜炎にもいろいろあり、一時的に落ち着く場合もある。しかしそれでも放っておくと脳に菌が移行するのが髄膜炎だ、と説明された。
 

そうしてどんなに安静にしていても、どうやらその菌は自分で出て行ってはくれないと分かった。



私が検査をお願いしたら、「ミキちゃん!!そんな簡単に決めて!! 背骨よ! 背骨に注射するのよ!!」と母が叫ぶが、もう選択肢は髄液を取って調べてもらうことしかないじゃないか、、、


髄膜炎かもしれない、そうじゃないかもしれない、

しかし髄膜炎の可能性が高い、と。

髄膜炎だった場合、ほっといたら死ぬと。


だったら検査するしか道がないじゃないか?






それで、デッカイ太いパイプのような注射器で、ズンと体の芯に響くような衝撃と共に髄液が取り出され、終わるとすぐに車椅子に座らせられた。髄液を取った後は歩いてはいけないというのだ。


なんか、大げさになってきたな~なんて思うのも束の間、すぐに結果が髄膜炎と分かり、そのまま車椅子に乗った格好で病室へ移動と言われた。


横で母は入院手続きや、とりあえず必要な身の回りの物などの説明を半分訳が分からないような顔で聞くことになり、


私は先生に、「じゃ、少ししたら私もウチに帰って入院の準備をしてきます」と言ったら怒られた。





そんなのが私の髄膜炎体験だったのだけど、


私とこの大久保祐映さんの違いはやはり一つ。



彼はたった一人だったということ。


可哀想に、下宿していたのでたった一人、朝方まで、多分相当苦しんだであろうその後に119番をし、会話を強いられ、それでも助けられることなく死んでしまった。


20年近くたった今も鮮明に思い出すあの時の悶え苦しんだ痛みを、彼はその時一人で切り抜けようとしていたのかと思うと、悔しくて悲しくて、口の中が苦くなる。

彼の母はさぞかし無念だろうと思う。




いつも思うのだけれど、そういう職員て、数時間したら「あの子きちんと病院行ったかな?」とか思い出すのだろうか?


後で思い出すようなら、そんな心残りをしないでいられる自分のためにも一応は救急車を呼んだ方が得策とは思わないのであろうか?



いたずらかいたずらじゃないか、


痛みの程度はどうなのか、


そんなことを電話のやりとりで出来る判断能力が備わっているのか?


今頃、その大学生とやり取りした職員は、


自分が見殺しにしてしまったその張本人の職員だと自覚しているのだろうか?


深く悔いているのだろうか?



私の時からもうそろそろ20年が経とうとしているのに同じことが繰り返され、私の時はラッキーで、彼の時は不運だったと、そう思うしかないのか?


知り合いのオーストラリア人はかつて消防士だった頃、


電話で話しているといつもポケベルがピーピー鳴り、


「ミキ、ごめん、火事だ、行かなきゃ」と、挨拶そこそこに電話を切り、


するとしばらくして彼からまた電話があって、


「また、いたずらだった! こんなのばっかりでうんざりするけど、でも出動しないわけにいかないだろ?」と言っていたもんだった。


ある日、彼の堪忍袋も爆発し、小さな火をおこして火事だと通報してきたその男の子達に、


「おまえら、嘘言う狼って話を知ってるか?!! 嘘ばかり言って人に迷惑かけて税金を無駄に使ってたら、いつか本当にお前達が困った時に誰も助けてくれないぞっ!!」





今日はつい、そう怒鳴ちゃったんだ。。。とその夜落ち込む彼がいた。




しかし、行かなければならなかったのだ。


どんなにおふざけ声だろうが、出動しなければならなかった。


私がその髄膜炎の時に電話で話した声は決しておふざけ声ではなかっただろうし、大久保祐映さんもそうではなかっただろうと思う。



オーストラリアの消防車が必ず出動しているわけではないかもしれないし、


大久保さんのいた山形の救急車が出動をセーブしているわけではないとは思う。


しかし、そういう職務にいる以上、緊急性がないので出動しないなどという判断を一職員に任せてはいけないと思う。





もうずっと前のことで、その時の会話全てをくっきりと書き出すことはできないが、他にも驚くようなことを色々言われたし、心配そうな声で詳しい状態を聞いてくれる事はとうとう一度もなく、それどころかそんな対応をされたことはこれからも一生忘れずに残ると思う。




だからこうして、大久保祐映さんのニュースを読んだ時に、




あーーーーっっ!! 私も同じ経験してる!!と即座に思い、


そして髄膜炎の可能性を示唆、、ってあるけど、多分それは髄膜炎だ、とハッキリ確信したのだった。



この事件があったのは2011年のことという。






確か、何かの非常事態には公衆電話でもお金がかからないで110番や119番に電話出来るようになっているから安心しなさいと教わったのはまだ1970年代の私が小学生の頃だったけどな。



2013年1月15日火曜日

Black Sheepで毛糸買い



ネットでブラックシープというお店が一玉25gのROWANキッドシルク オーラを2.98ポンドで売っているのを見つけたので買ってみた。





物はROWANでも、実際はどんな糸か、どんなショップかは分からないし、、、ってことでたった4玉の試し買い。




そうしてきちんと届いた毛糸を見てみると、写真よりもかなり落ち着いた色で、

もう少しカキ~~~ンと突き抜けるような色を求めていた私はさてさてこの糸で何作ろう、、と思案中。




ROWANのヘイズよりもずっと糸が太く、同じ25gでも75mという短さだからなぁ、、、。




とは言っても腕がないので作れるものなんて最初から限られているのだけど。



あぁ、編み物が好きなお友達がいつかは出来て、一緒にお茶飲みながら編む日が来るかしら?



、、、、と思ったら、私、編み物する友どころか、友達が一人もいないんだった。。。







しかしこの黄色のほう、


こうして見るとベーグルだ。。。



2013年1月14日月曜日

ミシンJANOME JLX2000


このミシンが届いた時に受け取ったニックは、


底のやぶけた袋に入ったミシンを抱えた配達人に、



「袋が破れているから底を押さえて運んでくれ」と言われた。



見れば、どう見ても箱よりかなり小さい袋の中で、入りきらないままになった半分以上丸見えの箱があった。


袋は汚れている。



私じゃなくても、


これ、落としたんじゃあるまいな??



と疑うしかない状況だ。



とりあえず袋から出そうとすると、もう一つの同じ袋がやはり箱を入れることに失敗したまま、シワシワのクシャクシャになって箱の下部分に絡みついている。


なんで?


入らないと分かったら、その袋がキチキチになっていて箱をまた袋から出すこともままならず、


そのままにしてまた別の袋に入れたということなのか?




入らなかった袋に諦め、



別の袋を使おうとして、大きさもそっくり同じ袋をまた使ったと?



分からん。。。。。。。。






しかも、それもまさに横向け。



横にしたらイカンと書いてあるでしょう?!!





この国の配達状況は全くシステムが整っていないのは分かっているけど、これはあんまりだぜ。。。


モノがモノなんだ、 


ミシンなんて壊れやすいものを配達する時はもっと神経を使ってくれよ、


頼みますよ。。。。。。。。。






本当に、落とされていたらどうしよう、、、と心配。


何故かニックは「John Lewisだから大丈夫」と、



イギリスのデパートの「ジョン・ルイス」への信頼は相変わらず深く、


あんた達イギリス人て頭おかしいのと違うか?!!


と呆れるばかり。。。






こんな簡単なこともフツーに行われないこの国のテキトーさ加減に、たった一つの買い物だけで疲れる私がいる。





しかし最近は、もちろんこうしてイラッとはするが、


ま~、金出したのはニックなんだし、


ニックがいろいろ気にしないんだったら、


すぐ壊れたりしてもまた新しいのを買ってもらえばいいやと、


以前みたいに3万円4万円の買い物に対してもそんなに慎重にはならなくなってきている。


以前のように少し少しでも頑張ってお金を貯めて何かをしようとか、そういう考えがなくなってしまった。


それほど、ここロンドンでは5千円1万円くらいの単位はいい加減に扱われている。



私がよく非難していた、いわゆるロンドン病というものに、私もかかってしまったということなのか?



それとも私も一皮剥けたということか??












ロンドンに雪






朝6時30分に起きると雪が降っていた。


前回2回の冬に比べて前半は断然暖かいロンドンだったけど、とうとう寒くなってきたな。。。


ボイラー大丈夫かしら。。。とそんな心配が先に立つ。



けれど何かしらとても忙しい春夏秋を過ごしたせいで、

部屋にこもっていてもいいような気分にさせる今年の冬。



もう少し長く続いて欲しいなぁ、、、



とは言いつつも、多分2月頃にはウンザリしているのかもしれないが。。。







2013年1月13日日曜日

日曜日のカムデンパセージ・マーケット





久しぶりに長い散歩をしようと計画した日曜日。



フィンズベリーパークからエンジェルまでって歩くと結構な距離だけど、この日は久しぶりだったせいか、なまっている体にも気持ちよく感じ、疲れることもなく楽しく歩くことが出来た。





着いてみると、土曜日のマーケットで盛況なここは、日曜日にはひっそりしているのがいつもだけれど、特別なのかそれともいつのまにかこんなことになっていたのか、新たなマーケットが開かれていた。





あんまり大したことない、、と言っちゃ悪いか。。。


でも本当に目が惹きつけられないものばかりで、いったいこんなんで時間の無駄にならないのだろうか、、、と思ってしまったほどのつまらないマーケットだった。


値段もそこそこ高い品を面白くなさそうに適当に並べて、まさに”やる気ないだろ?”的な若い売り子たち。



それでもまぁまぁ売れるのがここイギリス。







これはキチンとした、いつものマーケットのお店。


気に入ったグラスカップを2セット見つけてしまい、どちらにしようか少々迷った後に購入した。







品は少なめだけど、使えそうなものがたくさんのこのお店。

セカンドハンドといっても綺麗だし。


とにかく安いので、ウチには大きな36歳の子供が一人いるから、これだったら割られてもまぁいいか、、と思えるこんな食器達が良いのだ。






お腹も空いてきたので、カフェ『KIPFERL』に入った。


夕食時にはまだ時間が早いせいで、日曜日なのにちょっと並んだだけで座ることが出来て、さっそくいつものソーセージを注文した。


リカ、このお店好きだろうな~といつもここに来る度に思う。


働いている女の人達がそろいもそろってナチュラル美人でいい感じなのもリカを思い出させる。


あ、そーいえば、私が気にいるお店は典型的イギリス人が働いていない所ばっかりだな。





このソーセージも美味しいし、サイドのサラダが酸っぱくて、マスタードと辛いラディッシュも一緒に黒パンで食べると最高に旨い。


上出来な一皿だなぁ、、といつも思う。












コーヒーはニックが最初に頼んだのがちょっと薄めだったのでダブルショットを頼んだ。

ニックが値段も訊かずに頼んだので、”オイ、もしとんでもなく高かったらどーすんだ?”と思ったのも後の祭りだった。



しかしお会計でたった40ピーだけが加算されていると知って、



このお店の良心的なことを再確認。



ソーセージプレートも6ポンドくらいだし、ほとほと、イギリスカフェより断然頑張ってるんだなぁ、、と
感心してしまう。



今度からダブルショットで頼もう。







そしてこちらが買ったグラス。

5つで9ポンド。 安っ☆


デザート用か冷たいスープ用にしようと思っている。