金曜日、いつもは映画館に行くのは避けるのだけれど、
スカイフォールが公開されてから早くも3か月が経とうとしている今、これを逃したら劇場で見ることがもう出来ぬかもしれぬ、、、と焦ったので観に行ってきた。
ボンドは絶対に映画館で観た方がいい。
しかし金曜日の3時半の回といえども、そこはやはり今回のストーリーの展開上、どうしてもジュディー・デンチ目当てが多くなるわけで、、、
となるとまだ3時半だろうが全く関係ない、ジュディー・デンチと同じ年齢層の方々が足を運ばれるわけで。
だから結構席は一杯になってしまい、私の隣にもまさにその年齢の方が座られた。
誤解されてもらっちゃ―困るが、私はその年齢の方達には常々敬意を払っている。
こういっちゃーなんだけど、今の60代の人たちよりも話していてずっと面白くて楽しい場合が多い。
しかし映画館で隣になってしまった場合、運が悪い方に事が運ぶ確率が大きいのも事実。
今回がまさにそれ、ドンピシャだった。
その御婦人は映画が始まるなり肺から絞り出すような咳を連発、その度に狭い席でモゾモゾと体の位置を変える。
なんだその酷い咳は?!! 風邪なのか?!!
こっちは風邪が治ったばかりなんだ、頼むよ、風邪じゃないことを祈るよ。。。
と思っている間にも、ゴホゴホゴホゴホゴホゴホゴホゴホ、と咳。
しかも口元を押さえるとかは一切なし。
ゴホゴホゴホゴホゴホゴホゴホゴホ!!!!!!!
おいおい、、と思っていると、今度は足元に広げていた厚いフランネル生地の大きな毛布を大きく前に広げ、体にかけはじめた。
しかしそのかけ具合が気に入らないのか、ほどいては何回もかけ直す。
私はそれでも最初のうちはとにかく気にしないようにしようと努めたのだけど、やはり意識がどうしても彼女の咳とモゾモゾに行ってしまう。
いけない、こんなことではいけないんだ!と自分を叱責したのだけれど、しかしそういうのって、一度気にし始めたら気になりっぱなしになって、気持ちは〝気にしないようにしよう”から”我慢我慢”に移行していくのも止められず。。。
その内にその毛布が私の顔にかかってきて、さりげなく押し返すもまたかかってくる。
言おうかな、エクスキューズミー言ったらそれだけで分かってくれるだろうし、、、
と思っていると、今度は私の膝にもその毛布を広げてきた。
こりゃちょっと変わっているケースよな、、と思いつつ、今度はきちんとそれを押し返してみた、ソーリーと呟きながら。。。
しかし全く動じることのない彼女、、とゆーか、可哀想になるほど彼女の咳がひどく、多分、彼女自身も最後まで映画を観ようと必死だったに違いない。
とにかくずっとひどいゴホゴホ咳が続いている。
そのうちに、前に座っているカップルがとうとう後ろを振り向き始め、席の移動についてコソコソ話した。
そーだ!! こんなこと我慢している場合じゃないぞ、さっきから映画にのめり込んでないぞ、
と思ったらいてもたってもいられなくなってしまった。
そして、私は一人で席を移るから驚いて私の後ろからバタバタ付いて来ないようにとニックに伝えて、
上映中に心苦しかったがとうとう席を立ち、腰を出来るだけ低くしたままダッシュして、一番前の席に座った。
途端、
ふーーーーーーーーーっっっ!!!
とため息、周りに存在するのはスクリーンと自分だけになった。
今回の映画館はレスタスクエアのオデオンだったのだけど、改装した割りには居心地がとても悪い シートで、一番前なんて今時アリ?なスクリーンの見にくさにもかかわらず、その瞬間はまさに最高の席に感じた。
もっと早くからそうすれば良かったのにね。
人間色々考えちゃうもんですのぅ。。。
それにしても、久しぶりに座ったけれど、やっぱり一番前の席っていいなぁ!!と感じたのだった。
ところで肝心の映画の方はもちろんネタばれしたくないので詳しく書かない。
一つ言えること。
賛否両論、毎度激しく分かれるのはボンド映画だから当たり前、
ボンドシリーズ知らない人も、今回の悪役がこれまでないほど面白いから絶対楽しめるってこと。
ハビエル最高。
そして映画が終わって、ふと思う。
ボンドガールはどこ行った???????
そして舞台がスコットランドへと移ると、
スコットランドはもういいって。。。。。。
とゲンナリする私。。。
もうさ、
いいよ、スコットランドへの憧れはさ、置いとこうよ、、、と、
普段ニック始め、ニックの家族やその友達が集まる度に発散させる、
”スコットランドへの郷愁”。
そのあおりを散々食らっている私は、ほんと、正直〝スコットランド”にはちょいウンザリ気味なのだよ。。。
大体さ、
私達はイギリスとは違うのよ、スコットランドなのよ、
精神も肉体も、ヤワじゃないのよ、
あの広大な、風が荒れ狂う大地に根付いた人種なのよ、
ってさ、
そういう割には女王のジュビリーだのロンドンオリンピックだのと騒ぐのが全く分からん。
いや、別に、だったら独立しろとか言っているわけじゃなく。。。
ま~そこら辺の彼らの屈折した気持ちがますますスコットランドへの憧れを強めているのだろうけれど。
あ、そうか、今更だけど、ボンドも女王のために働いているんだっけ。
先日も、オリンピックの開会式でヘリコプターから降りてきて女王救出してたっけ?
出た!! スコットランドの寒そうなおウチ。
映画の中でもジュディー・デンチ扮するMが車を降りながら館を見つめ、
「そりゃ帰りたくないはずだわね」
とオッシャラレテましたが、
いつもスコットランドの家で寒い思いをしている私としては、
中に入りたくねぇ~~~~~~~~っっ!!☆!!☆!
と思うばかりだった。
ストーリーではこの館もうほとんど使われておらず、、、ということだけれど、
いやいや、こんな感じの閑散として淋しそうで火の気が全くなさそうな家なんて、スコットランドではそれこそフツーに見かけます。。。
しかもしっかり人が住んでいるのにこんな感じ。淋しい。。
どうか、ロンドン汚ねぇ~~~~っ!!などと思わずに。
よくこのスポット探したよ、ちょっとでもアングルずらしたら変なのがレンズに収まりそうな今のロンドン、このショットもさぞ苦労したことだろう。。
とにかく、私が気に入ったのはこのボンドの立ち方。
すごいね、俳優ってすごいね。
この立ち姿、何回も練習したのかしらね?
しかしダニエルクレイグになってストーリー性重視でオヤジになっていくボンドもいいけれど、
たまには女助けようぜ。。。
ところでMI6って本当にあるのか?とニックに聞いたら、友達がケンブリッジ在学時代に勧誘されたとのこと。
そーか、あるんか、MI6。。。
と思ってその友達の名前を聞いてみると、
う~~~~~~~ん、、、
あんまりにイメージ違いすぎる。。。
そりゃそうだよね、MI6っていっても、デスクワークがほとんどだもんね、、、
と思うしかないのだった。
MI5にはローワン・アトキンソンのジョニー・イングリッシュがいるんでしょ?
だったらそっちの方がしっくりくるんだけどな。
ところでところで。
私が席を移ったコトであの老夫人を傷つけてなければいいがな、、と思い、映画が終わって後ろを振り向いて見ると、彼女は輝く白髪の上に真珠のブローチが付いた帽子をかぶった、ピンクのローズチークのオシャレな女性だった。
ごめんなさい。。。でも、映画鑑賞は私にとって大切なんです!と心の中で言い訳。。。
<おまけ>
今回、モディリアーニの絵もボンドガールの一人かも?!
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