マチネーで『オセロ』を観てきた。
場所はサウスバンクのナショナル・シアター。
とにかく、私にとってのオセロはなんといってもローレンス・フィッシュバーンだ。
彼のカッコ良さが脳裏に焼き付いているので、今回のこのオセロがエイドリアン・レスターと知った時にちょっと考えてしまったが、評判がとても高いので興味を持ったワケだった。
彼はずっとイギリスのテレビドラマで活躍しているらしいが、一時期は初の黒人ジェームズ・ボンドになるかとまで騒がれていたらしいほど人気だという。それはまだダニエル・クレイグがそのポストにつく前の話だが。
彼の出ている作品で私が知っているのはたった一つ、映画『Primary Colors』。
ジョン・トラボルタ演じる主人公が大統領を目指して選挙活動をする話で、妻がエマ・トンプソン、脇にキャシー・ベイツとあっては面白くないワケがなく、そこにお手伝い役として出ているのがこのエイドリアン・レスターだった。
クリントンをモデルにして書かれているらしく、1998年映画だけれど今観ても充分に楽しめる映画&何回観ても面白い映画なのでDVDを持っている私はいまだに何度も観ている。
しかし先日、なんと初めて監督がマイク・ニコルズだと気が付いた。
そりゃ〜面白いハズだわ〜!!と感心してしまった。
やはり監督が全てだという良い例だ。
とにかく、エイドリアン・レスター君に話を戻すと、顔は横に置いといて、声が私の好みでは全くない。
声は役者の命だとも思っている私だから、その点で彼はガクンと評価が下がるのだ。
だから、ジェームズ・ボンドと言われて、顔よりも、背よりも、人種よりも、演技力よりも(あ、演技力はボンドには関係ないとおっしゃるか?)、
え? あの声で??
としか思わなかった。
あれから何年も経っているとはいうものの、人間の声は変わらない。
だからあの声でオセロ様だと思ったら、なんかな〜だったのだった。
しかし結論。
エイドリアン君のオセロ、感動したよ良かったよ!!
最後なんて泣けたわ。
つい、ダメーーーーーッ!! 早まらないでーーーっ!!と叫びたくなったくらい感情移入してしまった。
それで、いつもはしないスタンディング・オベーションも盛大な拍手も惜しむことなく出来たのだった。
他にもなにか気が付いたことは、、というと、
1;今回のオセロは設定が軍隊だったので、疲れた雰囲気が味。
2;イアーゴはボンド映画に出ていたRory Kinnearという人。やはりローレンス・フィッシュバーン映画のイアーゴ俳優ケネス・ブラナーの方が気に入っているが、まあOKかな。
3;銃の音が耳にかなり痛かったが他の観客は大丈夫だったのだろうか?
4;ロドリゴもカシオも奇をてらった感がありありだったがそれはそれで良く楽しめた。
5;デズデモーナが出てくると、あ!ユニクロ!と思い、ビアンカが出てくると、あ!ZARA!と、思っていたのだった。
ところでデズデモーナには???だった。とても可愛い子だったのだが、ベネチアの女というよりは、ブロンドさらさらの髪のせいか、いかにもイギリスのフツーの大学生で演劇勉強しています、といった風だった。
そして、一番悪いのはイアーゴじゃなく、エミリアだよね!??と相変わらず確認したくなったオセロの感想。
後味の悪さで言ったら東野圭吾作品の読後感とちょっと共通しているんだよな〜とも思う。
帰り道、駅で発見したこの人。
お願いして撮らせてもらい、毎度のように、私のブログに載せてもいいかと訊いたらとっても嬉しそうな顔をしたので逆に申し訳なくなり、「すいません、実は誰も見ていないようなものなんですがね、、、」と言い訳しようと思ったが、タイをククッと直している彼を見たら言えなくなってしまった。
ま〜、そんなに喜んでもらえるなら、、と、いろいろな箇所をクローズアップして撮ることも頼みたかったがそれはすんでのところで止めておいた。
でも、いざカメラを向けたら笑顔は引っ込んでしまったよ。。。
笑い顔がベッカム笑顔に似て眼がちょっとフニッと垂れて、良かったのにな。残念☆
しかし、その格好で待っているのは、女じゃないよね?! 男だよね?!と思いたい私。
いや〜、女が待ち合わせの場所に着いたらこんな格好で男が待っているなんて、プレッシャーばりばりなんである。
少なくとも、私が彼の待ち人で改札を通って出る前に彼を見たとして、まずは立ち止まって自分の服装を確認してしまい、そしたらそのまま回れ右であろう。。。と思ったのだった。
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