2013年2月28日木曜日

映画『世界にひとつのプレイブック』


主演がブラッドリー・クーパー、

しかも、『世界にひとつの、、』なんて付いてしまったら男性は観なくなるんじゃないか??


と心配になってしまうような邦題が付いたらしいので、



ここでハッキリさせておきたい、





これは結構な男性用映画です。










去年の公開前、テレビ宣伝が面白そうだったので、ニックに「観に行こうよ~!」と言ってみたがスルーされた。


コミカルな場面がカットされていたので、コメディだと思ってそこまで心動かされなかったらしい。

しかも、やっぱりブラッドリーだし。






けれど、今年のアカデミー賞授賞式を見て、ノミネートされていたこの映画の所々が映されたために興味を持ったと言う二ック、


今度は「観に行こうよ!」と誘ってきた。






もうやってないんじゃない?去年の秋の映画だよ。と言うと、


「主役の女の子が主演女優賞獲ったんだし、また上映し始めたはず!」と返してくるニックの言葉に、あぁそーか、と納得したけれど、



ちょっと待てよ。




実はジェニファー・ローレンス目当てか?とチラと思った私。



どうなんだ、オイ。




でもそれも納得、



どこか一昔前のような顔で妙な落ち着きを持ちながらも初々しさを存分に振り撒いたアカデミー賞での彼女に、私もコロンと参ってしまったくらいだったから。





ということでやっと見れたこの映画の英題は『Silver Linings Playbook』。


コメディちっくにしながらも、内容は大真面目な話だった。



それもそのはず、監督はデヴィット・O・ラッセル、ひとねりもふたねりもツイストしてくるから観ているこっちも体力が要った。




もちろん内容は書きたくないので、相変わらず感想は俳優に関してだけ。




で、まずはジェニファー・ローレンス、


オスカー受賞で壇上に上がる時に転んでしまったのだが、その姿もキュートで優雅で、まるでシンデレラの階段シーンだわ。こっちは上がっていく版だけど。と感動したのもつい先日のこと。


そんな世界が注目する瞬間に階段で大コケして、その姿までがあんなに可愛らしいなんて、


それだけでオスカー獲る資格があると思ったほど。


転んでまた注目度も更に高まって、普段女優の顔なんて覚えないニックまでにもその印象をクッキリ残した通り、


映画では旬な女優ぶりを発揮していた。





それにしても、ブラッドリー・クーパーの思いがけない熱演に、なぜ彼がゴールデン・グローブで賞獲得ならずしてガッカリしてた様子だったのか納得できた。


ジェニファーがオスカー獲れて、ブラッドリーが獲れないんじゃーな、


やっぱりアカデミー賞は曲者だな。



せめて、"世界一、黒のゴミ袋が似合う男"の称号はしっかり捧げたい。




この映画では脇役達が 良くて、もちろんロバート・デニーロを筆頭に、お母さん役の女優さんジャッキ・ウィーヴァも今回これでノミネートされていたし、クリス・タッカーも良かったし。


友達の奥さんベロニカ役でジュリア・スタイルズが出てきた時は、えっ!!彼女はハリウッド映画ではもうチョイ役扱いなのか!とちょっとびっくりだったけれど、そんな小さな役どころもしっかりと魅力&迫力ありで良かった良かった。







ところでレッドカーペットで共演のブラッドリーについて聞かれたデニーロ、


彼はクッド・ボーイだ!と適当にリップサービスしながら、


「しかも彼は僕のこと好きだしね、僕は僕を好きな人達が好きなんだからね!」




と、あくまで、自分大好きなその態度と発言に、大笑いさせてもらった。



相変わらずなエゴのカタマリ男なロバート・デ・二ーロ、


ってゆーか、



そんな質問、天下のロバート・デ・ニーロにするなよな!!と思った次第。


大体、ブラッドリー・クーパーなんて名前、とっくに忘れていそうだ。。。





で、そのブラッドリー・クーパー、私の友達に似ていると誰かが言ったせいで、


その時は「そりゃ~ないだろ!」と返したはずが、それ以来ずっと頭に残ってしまい、




いまではブラッドリー見るとその友達の顔が浮かんでくるまでになった。


えらい迷惑こうむった。。。









とにかく、観た後は、この曲から離れられなくなること間違いなし!


私がこの映画を観たかった一番の理由が実はそれなのだから。






と、あれれ? 


貼り付けようと慣れないことしてみたけれど、上手くいかん。



Dave Brubeck の『UNSQUARE DANCE』なのだけど、、、。


そういえば、彼はこの映画が出た去年にとうとう亡くなってしまったんだった。



youtube見て踊りながら、この映画を思い出しながら、追悼しようと思う。








2013年2月25日月曜日

タランティーノ映画『ジャンゴ アンチェインド』;DJANGO UNCHAINED




上映時間が2時間45分と聞いて、


でも今回のタランティーノ映画、なぜか、「途中でトイレに行きたくなって席を立ってもまぁいいかな、、」なんて、私の中のタブーを取っ払ったようなことを思って出かけて行ったのだけど、




そんなことを最後までチラとも思い出させないでくれたまま、

2時間45分があっとゆー間に過ぎ去った。



とにかく、タランティーノは相変わらず俳優の使い方が上手い。これに尽きる。


なので鑑賞中、「この映画はそこまで好きじゃないな」なんて思っていても、


観終わってから時間が経つにつれて、


あのシーンあったな、、とか、あの時のあの顔が、、とか、ヒョイと頭に浮かんでくる。


決してそれは、あのシーン良かったな、、とか、あの時のあの俳優の顔がすごかったな、、とかではなく、本当に、ヒョイと、ところどころ顔を出してくる、というか。



それで結局、どうやらもう一度観たい気がするな、、と思ってしまうのだ。





「その役が永遠に生きるようなそんな俳優選びをしている、だからずっと、その役は生きていくんだ。」


オスカーの授賞式で彼が言ったのは、そんなことだったけど、多分、そのタランティーノ・マジックのせいなんだろうと思う。



すごい監督だなと思う。


彼のおかげで映画界はまだ面白さを残している。活性剤というか。


これからもずっと、こんな映画もあっていいんじゃないの、という映画を作っていって欲しい、


もっともっとタランティーノ作品見たいからね。



2013年のアカデミー、じゃなかったオスカー賞


次の日は朝早くから起きてニックの両親を駅で見送らなければならないのに、2013年のオスカーをしっかり最後まで見てしまった。




本番のオスカー授賞式はもう録画設定にしたので、授賞式が始まったら最初だけちょっと見て寝よう、、と思いながら、レッドカーペット中継を楽しんだのだが、


いざ、授賞式が始まると、出てきたのはなんと、セス・マクファーレン、

映画『ted 』の監督だった。


え?!今年の司会者は彼なの?!!


とびっくりしたのも束の間で、

うわー、なんか、嫌な予感がするな~と思ったのも一瞬で、


早速しょっぱなからセスらしいくだらないおバカさ加減の炸裂ぶりに、つい、そのまま、最後まで見てしまったのである。


本当に、あんまりにセスらしく、バカバカしくて可笑しかった。


しかし、それにしても、セスはTedそのものだな。











そして、とっても嬉しいことに、プレゼンターとして テッドも登場してくれた!


期待を裏切らないその毒舌ぶりと下品ぶりに、大爆笑。


いくら期待を大にして待ち構えていた私も、


そりゃないだろう、そこまで言うか?!!


とショックを受けた。


天下のアカデミーも、こうなったのか。。。。。


若者層のご機嫌伺いなのか。。。。。


オスカーの権威よ、どこへ行った?!!!




それにしても、セスはテッドに喋らせてるもんだから言いたい放題でさぞかし気分がいいだろう。

私も言いたいことがあったらぬいぐるみ使ってニックに立ち向かおう。






ところで肝心のオスカー賞。


うむうむ、やはり毎度のことながら、アカデミー協会の色々な思惑が垣間見れる結果だったな~と感じた。

どこの国でも人気取りのために頑張っているのだね。



2013年2月22日金曜日

コートールドギャラリーでピカソ展






コートールド・ギャラリーのメンバーになっているので”お知らせ”が届いた。

ピカソ展が来るという。





さっそくその週末、ちょうどニックの両親もロンドンに出てきているからということで、

一緒に出かけた。


コートールドに着いて見ると、とんでもない寒さにもかかわらず長蛇の列。。。



マジかよ~~~☆★☆、、、、と、とにかく並ぶことが嫌いな私は即回れ右をして計画変更、当然ニックの両親も回れ右だよね、と思って彼らを見ると、クレアとヒューは列の後ろに立っていた。





そうだよね、ピカソだよね、



加えて今日は金曜なのだったよね、



と、私もその後ろに立ったのだった。




今回のピカソ展のタイトルは、


「BECOMING PICASSO PARIS 1901」


だったので、ピカソがピカソとなる前の作品達ということだったけれど、


若い時のピカソも、


しっかりピカソだった。


ピカソの青はピカソの青で、


ピカソの緑はピカソの緑、


オレンジも白も、線も構図も、もう全てがピカソ様。





これはもう、絵という美術を分かるか分からないかという次元じゃなくて、


まだ若いピカソ君に「ねーねー、ちょっと見てくれる?」と絵を見せられた誰もが、


オマエ、すげーな!


と言うであろう、才能が溢れて流れ出している絵達だった。





数えてみれば、1901年というのはピカソまだ18か19の年で、それまではバルセロナの美術学校で絵を学んでいた彼がちょうどパリに居を移した前後。


だからスペインの踊り子の絵も多いのだなぁと思いながら、


その後の26年後、1927年にパリの街角で一人の女の子を見かけて気に入ったピカソが、


「私はピカソだ。一緒にすごいことをしよう。」と言ったエピソードを思い返さないではいられなかった。


それがまだ17歳のマリーテレーズ・ワルテルで、


つい先日にもロンドンのサザビーズのオークションで彼女がモデルの絵の一つが42億円くらいで落札されたのだったのも記憶に新しいけれど、






おい、ピカソ。





1927年と言ったらオマエ45か6だろ?


17歳の女の子に声をかけるなんて、エライ勝負に出たもんだね!



しかも「私はピカソだ」なんて、



そんな自己紹介するヤツは、この地球上、ジェームズ・ボンドとピカソぐらいのもんだと思う。



ゼウスもそう言ったらしいが、彼は神だし。



かなり可愛かったんだろうね、マリーテレーズ17歳!


しかも、美術のこともピカソのことも知らなかったらしいのに、


すっかりそのままピカソに魅せられたというから、ピカソの才能はそのまま魅力になって、顔中体中に出まくっていたのか。


マリーテレーズはそれでニョキニョキ付いて行ったのか?







そんな風に、その後のピカソをバックアップするものとしても見所満載な1901のピカソ展は、




5月までまだやっているというからまたぜひ足を運んで再び堪能したいと思わせてくれた、素晴らしいものだった。






あぁ、ピカソも私の前に現れて、


「私はピカソだ。一緒にすごいことをしよう!」と言ってくれないかしらね。。。


などと想像も更にたくましくなる42歳だった。。。


















2013年2月20日水曜日

ロンドンのフラット



日本からイギリスへ引っ越しが決まった時に、

「6ヶ月だけはフラット住まいだよ、そしてすぐに家を買うんだからね、だからすぐにまた引っ越しになるけど、だから忙しくなるけれど、いい?」と大口叩いたニックだったが、やはり大口だった。


気が付けばすでに二年以上が経過してしまっている。





案の定じゃないか~~~っっ!!と怒っても始まらない、


何せ相手はニック。


6ヶ月なだけなワケ、ないだろ!!と、もうそんな話は最初からちっとも信用していなかった。


当たり前だ。


10年も日本にいて、やっと自国に帰ることにしたのはいいが、自国での10年間の記録が何もないのだ、そう簡単に事が運ぶ筈がない。





イギリスへの引っ越しを決めたのは2010年の春だった。

しかもロンドン。


スコットランド人のニックがいきなりロンドンっていうのも私にはびっくりで、

いや、オマエさん、いきなりロンドンじゃ~なくってもいいんでないかい?


と説得するも、


「いや、ロンドンには職がある!」


と声高らかに、続いて、


「ロンドンで家を買わなければ意味がない!」


と言い出したのだった。




職って、あなたね、あなたの場合はどこでもできる翻訳でしょーが。。。


そりゃ~ね、ロンドンで不動産買ったら価値的にはいいかもしれないけれどね。


すぐに家なんか買えないんだし、何ものっけから家賃がバカ高いロンドンに住まなくても、いいじゃないか??


そう言うと、


「ロンドンに住んだら、ロンドン事情が分かるし、田舎に住んで何回もロンドンに足を運ぶ方が高くつく!」

とニック。



それはそうだけれども。






そういうことでとりあえず、ロンドンの不動産会社に連絡取りまくるニック。

もちろん、京都のアパートからである。



何回も断られて気落ちするニックが振り向いて、



「直接会わないと、信用されないからね、難しいね」とにっこり。



え?



もしかして、この人、一回もイギリスに帰らないまま、故郷でもない、頼れる友達もいない見知らぬ都会のロンドンへ、いきなりお引越しする気なの?? 





ちょっと待て!




ロンドンまで行って来いーーーーーーっっっ!!



にっこりするなーーーーーーっっっ!!!


と、思わず叫んだのだった。



しかしそんな気配は微塵もなく、もくもくとロンドンの不動産屋さんにメールしたり電話したりするニック。


この男、かねてから只者ではないと思ってはいたが、


ただ腰が異様に重いだけだった。。。






その重そうな腰を後ろから冷た~く眺めていると、いきなりクルッと振り向いて、


「直接会わなくても賃貸契約してくれるっていう不動産屋さんを探し出すとなると、かなり範囲も狭まってしまうんだよね」と、またにっこり。



にっこりすんなーーーーーっっ!!



直接会ってくれーーーーっっ!!



どんなフラットか自分の目で確認してこいーーっ!!









正直なところ、ニックが先にロンドンに行って、なんだったら家まで買い終わったところまでやってくれたら、こっちとしては荷物を引きずり回す回数が減ってかなり嬉しいのだけどね、

、、という魂胆でニックに話を持ちかけてみた。


あなただけなら最初は親の所に居させてもらうことも可能だし、親孝行兼ねてちょっとした骨休みもしながらゆっくり自分の国に慣れていけばいい、


そのうちにロンドンまで出向いてフラットを借りて住んで、一人暮らしの経済的記録を残しながら家を買うところまで漕ぎ着けたらいいじゃない? ま、とりあえず、2年ほどあったら、いいでしょう?と。



すると、ニック、


「じゃー、ミキはどうするの?」と。



まぁ、2年の間には私もそっちに足を何回か運べばいいんだし、家を買うのも一緒にするしね、今はネットがあるんだから、ファイルだってなんだってやりとり簡単なんだし、何も支障はないじゃない?と言うと、


「ダメーーーーーっっ!! 一緒じゃなきゃ、ミキは絶対来ないの知っている!!」


と叫ぶニック。



おーーーーー。よく分かっとるな。




OK, OK, こうしよう、
 

そんなに信じないなら、全てが完了した時点で二ックが私を迎えに来ればいい。

その方が、ニックもやる気が出て、家を買うのも早まるというもの。。。と一生懸命説得を試みた。



私にしてみれば、長年借りていたアパートをせっかく引き払うんだし、イギリスに興味があるわけでもなし、この際賃貸契約がない自由を満喫して、生まれ故郷を覗くのもよし、日本を旅してみるのもよし、

とにかく時間の逆算が出来ないニックにイライラさせられるのは当分勘弁してほしい、ましてやロンドンにいってからまた私がニックのお尻叩きをするハメになるのは真っ平ごめんというのが本心だったのだ。


しかし、そんな私の気持ちにうすうす気が付いているニックの答えは、



あくまで、「ノー!!!」。


しまいに出た数字が6だった。




「6ヶ月あったらさ、大丈夫だよ、だから、6ヶ月だけ様子見てよ、僕だってちゃんといろいろやれるんだよ。」と。




あーのーねー。。。。。





初めての土地にいきなり行って、

確認しないで借りるなんてどんな状態か全く恐ろしくて考えたくもないフラットに住んで、

ガスや電気の使い方や支払いを覚えながら部屋をなんとか住める状態に持っていって、

引っ越しの荷をほどきながら他の荷物が京都から船便で届くのを待って、、、




それと同時進行でお家探しして、私たちが万一すっごくラッキーで即見つけたとして、


そうしたら今度はお家を買う前のその物件状態を調べなければいけなくて、


それでも大丈夫だったら交渉に入って、


お金を上乗せしたり値引きさせようと奮闘したりして、


それが終わったら取引に入って、


もしそれがスムーズになんの問題もなく運べば、


今度はまた全てを荷造りして、買ったお家に運び込むの。


やっと引っ越しになるわけです。



それを、6ヶ月でやると?

日本から引っ越していく私たちが、やれると?

あの、何も動かないロンドンの土地で、6ヶ月と?

そう、おっしゃるんですね?!!!



と、私の口調もだんだんブレーキが利かなくなっていったのだった。





そもそも、あなた、どういう計算の仕方なワケよ?!!


と、最後は大絶叫。




いや、でも私の気持ちも分かってほしい。


こ奴、まったくもって、とんでもない計算をしてきては、エヘヘと謝る常習犯なのだから。



先日も仕事のことでまた大口を叩いて、


「こんな仕事なんて、すぐ、すぐだよ!」と、懲りもせずに繰り返すから、


「ねーねー、6ヶ月なんて、100%、無理だったでしょう? それこそ荷ほどきと船便の荷物の確認とボイラーとの格闘で6ヶ月なんて飛んで行ったでしょう? お願いだから、もううんざりするようなこと言わないでよ」



と言うと、



「え?? 6ヶ月なんて、無理に決まってるよ??」


とのたまうニック様。


「。。。。。。。。。」となった、その瞬間の私を想像して欲しい。



おまえだろ、6ヶ月と言ったのは!!!!!




あぁ。。。言い合いにもならない。。。


非常に疲れる。。。


 


さて、気を取り直して、写真は私のフラットでの一番お気に入りの場所にこの前買ってきたジャスミンの花を置いてみたところ。


昔も今も変わらず、大きさも関係なく、ホールと言う空間が一番好きだったりする。




そんなわけで、いつまでお世話になるか全く予定さえ立つメドがないこのフラットであるけれど、


こんなささやかな努力をしながらなるべく楽しもうとは思っている。

2013年2月17日日曜日

さらに美味しくなったトルコ料理レストラン『HALA』


HARINGEY (ハリンゲイ)にあるGREEN LANES通りにはトルコ料理レストランがたくさんあって、お客はトルコ人が多く、そうなると当然レストランは味で競い合い、結果として旨い店が多い。

この日は最初、大人気のトルコ料理レストラン「GOKYUZU」に行ったけれどもすごい待ち人の数だったので、あんまり暗くなってから帰り道を歩きたくなかった私達は、代わりにもっと小さいアットホームなお店「HALA」に寄った。








簡単に食べていこうね、ということだったので、ベジタブルピザとラムのケバブをオーダーすると、


まず最初に籠に盛られたパンが出てきてお次にサラダ、添えのディップのヨーグルトとチリトマトの2種類が出てくる。


本当に、これだけで延々と食べれるから、オーダーしたものが来るまでにお腹が一杯にならないように気を付けなければいけない。


日本の男の子達はこういうの絶対大喜びだろうな~、と思う。




もちろんニックも大喜び。





これがベジタブルピザ。


いつもより辛くなかったので、ディップのトマトチリを付けて頂いた。


もちろん、これだけでも十分美味しい。





そして今回のヒットだった、ラムのケバブ。



下には相変わらず、’固めなのにふっくら’、という、どうやったらこんなに美味しく作れるのかいまだに不思議なライスが2種類、

その上には大きなケバブがドーンとライスを隠すように置いてあるのだけれど、


そのケバブ、スパイスがしっかり効いていて、以前よりも断然私好みの味になっていた!!


やばい~☆うまい~☆と連呼しながらついつい食べ続け、ついに二人で何も残さずに全てを平らげてしまい、私ときたらこの後どうやって歩いて帰ればいいの、、状態だった。




食後の満足感にどっぷり浸かりながら、

ハリンゲイでトルコ料理を食べる時だけオーダーしたくなるコカコーラを飲みながら、

まるでトルコにまで旅行していて、水が危ないからだからこうしてコカコーラを飲んでいるのです、、、という気分になるのがいいね~と来るたびに思うことをまた思って喜んでいると、


横のキッチンでいきなりパンやなんかが飛び散った。


へっ??と思って見ると、なんとスタッフ間でケンカ勃発。

おいおい、肉切り包丁のあるキッチンなんかでつかみ合いのケンカはやめてくれ、、、と店内中に緊張が走る。


う~~~む。。。


こういうのも含めてまさにトルコに旅行中のような気がするな。。。と思ったのだった。








2013年2月16日土曜日

グラミー賞2013についてつらつらと。

テイラー・スウィフトで幕開けした今年のグラミーは、テイラー・スウィフトで終わったという印象だった。


オープニング「We are never ever getting back together」が流れ、あ、この歌よくあちこちで聞くけど誰だ?生歌がヘッタクソだな~とまず耳が惹きつけられ、画面を見ると、そこには不思議の国のアリスのような恰好をした細い女の子がこれまた不器用にパフォーマンスしている。



しかしアイドル的要素はたっぷりで、今度は目が惹きつけられたまま。



画面に彼女の顔がアップになってやっと、あれ? これ、テイラー・スィフトだった、、、と気付いた。



なんかどことなく雰囲気が変わったね、、と思っていると途中セリフが入り、


なんと、イギリスのアクセントで、

’’私、グラミーのオープニングに出るしね、

(だからあなたに戻ってるヒマなんてないしね、)

私たちが付き合うなんてこともう絶対ないわ!’’

と言った。


あちゃ~☆ これは元彼のイギリス人ハリーに当て付けているのね~☆☆と、モロ分かり。

そんなのっけから場内ざわついたグラミーの始まりは、ドレスコード胸脚見せ禁止のお触れが出回っていたにもかかわらずにまずJ-Loが胸脚見せてまた場内をざわつかせ、お次はケイティ・ペリーも続き、、と、なんとも騒がしい。


しかし後はもう、曲が流されれば耳にしたことがあるなでも顔は分からんな、、という人が私には一杯な受賞式だった。





感想;


1; ジャスティン・ティンバーレーク、復活で騒がれているけれど、久々のステージは相変わらず高音出して最初は’おっ!’と思ったものの、なにせ長かった!!

なんでそんなに長いのよ~☆と声に出してテレビにぶつけたほど、時間取り過ぎ。


途中で最前列に座っていたJay-Zが出てきて一緒にパフォーマンスし、自分のパートが終わるとまた舞台から降りて自分の席に戻っていった時はさすがに笑えて、

すごいなJay-Z, フツ~に出てきてきちんとラップしていってまたフツ~に席に着くなんて、、と、見どころもありだったが、その後もずっとまだジャスティンが続く。。。


ファン以外の人にはちとツラいものがあったと思う。


2;大好きなケリー・クラークソンがノミネートされていたのも知らなかったが、受賞してステージに上がる時の彼女のボテボテ歩きとドタバタっぷりとハチャメチャなスピーチの調和がお見事。



3;Jay-Zとビヨンセが並んで座っているのを見る度に、まるで教会でのセレモニーを見ているかのような気になった。あ、それはいつものことか。


4;エレン相変わらずかっこいい。ポーシャもショートヘアで良い良い。美人はやっぱりショートだよな。 


5;去年は賞を何個も獲ったアデルは赤のドレス姿がキュートだった。声については脇に置いとくとして、彼女の超の付く美人顔+あの体型はつまり誰からも好まれる最強な組み合わせだな~と思う。 


6;ブルーノも歌った。あの歌はいい。子供には聞かせられないところもあるけれど。ブルーノは去年に引き続き、すでにグラミーの顔になってきているんだな~と思った。以前から似ている似ていると言われれているスティングとの共演もしたが、そんなに似ているか?


6;そのスティングは相変わらずカッコいい。声量も変わらず。ポリスの歌は素晴らしい。もう60か? あれで? やっぱりアシュタンガヨガの力だな。ニックもやってくれよ。


7;リアーナ、相変わらず細っこいな。前より歌が上手くなっているから見ていてイヤじゃないな。それにしても寄り戻したクリス・ブラウン、バカボンに出てくるお巡りさんみたい。バカボンのお巡りさんは好きだけど、クリス・ブラウンはちょっとな。。。


8;ファレルも来ていた。いるなら歌っておくれ。



と、そんなしょーもない、アーティスティックなこととは全く関係ない感想ばかりだけれども。


そんな、なんとなくパッとしなかった2013年のグラミーだったが、全てはプリンスが出たことでぶっ飛んだ。びっくりだったよ。


プレゼンターで登場したプリンス様はクールさ全開。

そのフードのかぶり方何?!!その歩き方何?!、と、彼が持っている杖までがなぜか渋く見える。



彼から賞を受け取ったアーティストは大感激していたけど、そりゃそうだよね、名前呼ばれる前にプリンスが「この歌好きだよ」とつぶやくように本音っぽく言ったしね、

あのプリンスにそんなこと言われるなんて、賞獲得よりもすごい話だよな。。。



とにかくも、ブルーノのおかげか、最近は若い人たちの間で80’sや90’sの風が吹いているようだし、いい感じにはなってきているな、、、


と思っていたら、最後の締めで、今年もホストを務めたLL Cool Jがパフォーマンスし始めて、パブリックエナミーのChuck Dまで出てきた。

おぉ~!! むちゃくちゃ私好みだわと大喜びだった。


頼むよ、ここら辺でまた基本に戻ろうよ、、もうレイディ・ガガ系統はオバちゃんにはついていけないのだよ。。。と願う。




 
そうして後日談;


なんとテイラーも大人っぽくなるわけだ、もう23歳だって! 

え、それで、まだティーンエイジャーのイギリスボーイと付き合って別れて、


’’もう絶対戻らないんだからねー’’

’’そんなヒマなんかないんだからねー’’

とか歌ってるのか、、、とびっくりした。


それにしても、あんなにラブリーな顔で生まれてきたなんて、まさに奇跡としか思えないよなぁ!!



そしてニックは言う、 「初めて見たけど、グラミー面白かったね!!」。

え!! マジですか?!

去年のオスカーに続いて、グラミーも見たことなかったとは。。。

いったいこの人はどれだけ私とかけ離れた人生を過ごして来たのだろう、、、と、不思議な気分になったのだった。。










2013年2月14日木曜日

カップケーキ


映画『ダイ・ハード5』を観た帰り、そのまま家には帰りたくなくて、ピカデリーにある「WHOLE FOOD」に何の目的もなく寄った。


バレンタインデーの夜に家に直行したくなくて街にいながらも、立ち寄る場所はスーパーなんて、哀しいにもほどがある。。。



もしも子供がいたら、イベント日はさぞかし騒がしくも楽しい1日になるだろうになぁ、、と淋しい気分の水溜まりにポトンと落ちること2分、


そのままブラブラと店内を歩くとカップケーキ試食させてるブースがあって、


牛乳アレルギーの私は食べれないな~と思っていると、それはビーガン用のもので、牛乳はココナッツミルクで代用しているという。


いつもは試食に心動かされない私も久し振りにカップケーキを食べれる事実に舞い上がり、さっそく一口大にカットされて並べてある一つに手を伸ばした。



味は、、、



久し振りのカップケーキ美味しい嬉しい~~!であった。



ニックにも勧めると、にこやかな笑顔ながらも嫌々そうにカケラに手を伸ばし、口に入れた途端に顔中に皺を寄せ、私に向かって日本語で「買うの?」と一言。



売り手に失礼にならないようにと気を使っていながらも明らかに嫌いだったと分かるそんなニックの一連の動作とリアクションを見ていたら笑えたが、


ここは有無を言わさず、「買わせて頂きます!」とこちらも一言。




バレンタインの夜だしね、

お家に帰ってからの楽しみが欲しいのだよね。



写真はこのカップケーキを作ってCAT & THE CREAMという商品にしたその張本人で、彼女自らこうして試食販売していた。また買うからね!





 






帰ったらすぐに冷蔵庫で冷やし、クリームがキンキンに冷たくなった頃合いに、


DVD映画の一人鑑賞のお供にさっそく頂いた。



改めて、家で食べると、そのクリームの濃厚さや砂糖ジャリジャリ感がすさまじい。

下もふんわりスポンジではなく、どっしりずっしりな口当たり、

重いクリームを上に乗せて耐えられるようにしっかりしてるワケだ。


だからこれ一つを完食するには相当な腹減り具合が必要だと思う。


よっ!! さすがイギリスのカップケーキ!




とにかくも、牛乳アレルギーでも食べれるカップケーキが見つかったので、これでなんとかなるだろう。

いつもクリームがどっさりクルクルのっかっているカップケーキを食べている人達を横目で見ていたけれど、これでもう大丈夫。


そう言うと、ニックは、


「でもいつもカフェNEROとかで食べてるじゃん」と。


あれは、マフィンだ。






こんなバレンタインの日には、やたら滅法美人なのに男ナシなあの女友達たちは日本で元気にしているだろうか、、、と恋しくなる。


安売りお徳用家族用チョコレートをスタバでわいわい言いながら小分作業してそれを男友達たちに渡す彼女達や、

そんな見るからに義理だと丸わかりのチョコレートをもらっても喜びでほころぶ彼らのキュートな笑顔やらが懐かしく思い出される、ロンドンの2月14日なのだった。







映画『ダイハード5』


シリーズ1と2のせいで、ダイハードと言えばクリスマス!だったのが、

新作のダイハード5はバレンタインデ―に解禁という。



さすがだわ、ダイハードは洒落たことやってくれるわ、と、


さっそく2月14日が来るといそいそと映画館に出かけて行ってきた。



なんて素晴らしいバレンタインデーの過ごし方なんだ!!!



しかも『ダイハード4』よりも私には断然面白かった。




ジョン・マクレーンの素晴らしさは言い尽くせないので省略するとして、


ヴァン・ディーゼルと顔の形が似ている息子役はやっぱり声も少しヴァン・ディーゼル似で、話が進むうちにまぁいいんじゃないか?と思えてきたくらい好感度も悪くないし、


黒髪美女もいて、へリコプターに乗る前のストッキングちら見せがとてもセクシーだったので、ボンド映画『スカイフォール』で不完全燃焼だった美人鑑賞もこれで満足。



アクションは一貫して渋くてクールに仕上がっていたから最後までずっと気をそらさずに観ることが出来た。



そうして、もう終わるのか、これで見納めか、とこっちも緊張していると、とうとう来てしまったあのラストシーン。



なんだかしんみりさせられて、ダイハードごときで?と人に言われようと、胸がジンといっぱいになってしまった。



すると!!



エンディングロールで流れてきたのはなんとローリングストーンズの曲『Doom and Groom』だった!



感動。。。。。。。。






これで、このダイハードシリーズが終了でも、もういいよ、


納得したよ、


1作目から私ももう41歳、お世話になったね!


でもこれからも延々とお世話になり続けますよ!と心の中で挨拶をして、私のダイハード5は幕を閉じた。









実は今回、2列目の席で観たのだけれど、1列目には2人の女の人がいて、一人はスクリーンに向かって左側に端、もう一人はド真ん中だった。


あ~私も前に行きたい。。。と思い続けて観る映画鑑賞のなんと精神不衛生なことよ!!



ニックが通路側に座っていたもんだからサッと立ちあがって前に移ることも出来ず、ニックにまで頼んで映画の途中でゴソゴソと動くのもためらわれて、結局2列目で妥協。



それにしても、急遽ニックも来ることになっただけで私も最初はニック無しで一人で観に行くつもりだったから、バレンタインデーにダイハードを観るために一人でやって来てしかも一番前に座るなんて一体どんな女性かしら?、と、その2人に対してとても興味が湧いたのだった。



もしかしてお友達になれるような感じかしら?!と映画上映が終わって場内が明るくなるとすぐに2人の方を見てみたら、2人とも私よりも全然まだ若い、可愛い女の子達だった。



すごいね、ジョン・マクレーン健在だね!!










 


 



2013年2月11日月曜日

スーパーボールとビヨンセ




今年のスーパーボールはニックが作ってくれたポップコーンを食べながら一緒に楽しむはずだったのに、なぜかまたケンカ勃発。


お菓子を食べながらテレビでスポーツを見るなどという、

そんなささやかな計画さえがむちゃくちゃになると、もう全く収拾がつかなくなっていたちょっと前までの私だったけれど、

最近ではそんな事態に陥っても軌道修正して楽しもうと、自分にかなりの念力をかけるようになった。


とはいっても無理やり感たっぷりなのであるが、それなりにこの技も段々と磨かれてきたらしく、今回のスーパーボールは最後までしっかりと一人で見て楽しむことが出来た。




人間の精神は鍛えることが可能なのだ。



だから、もし、厭なことがあったり、気分が落ち込んだりした時は、



私の楽しみは何にも誰にも奪わせないわっ!!



と、ちょっと芝居がかった調子で口に出して見て欲しい。



ホラ、強くなったようでしょう?



ポップコーンのお皿もカラになったしな。



しかし、精神が強くなるのと、神経が図太くなるのとの、その線はどこにあるのだろうか??







ところで今回のビヨンセ、すごかったね無敵だったね。


最初の方のステージでの立ち位置(寝位置?)がちょこっとズレていたくらいでその後は最後まで圧倒的。




ちょっと前の大統領宣誓式での口パク騒動のせいか、熱が入りまくったパフォーマンスだったけれど、


そのせいでか、終了後はなんと停電。。。



全てにおいてスケール凄過ぎなアメリカだったのでした。




ところであの口パク、理由は十分なリハーサルをしてなくて不安だったから、と。


それで弁明記者会見を開いたビヨンセ側の対応はさすがだし、

そこで歌って生の歌声を披露して報道陣を圧倒しまくって黙らせた方法も見事だけど、


いやいやちょっと待て。



ビヨンセが歌えるのは世界中が知ってますって!!



問題は大統領宣誓式のような場所で口パクをするなんて一流パフォーマーにあってはいけない行為だぞ、ということだったのに、



そこをスルリとボタンかけ違えるビヨンセ側はともかく、かけ違えられたボタンホール側が喜んでいたのが面白かった。





そうニックに言うと、


「いや、もともと、騒ぎになったのは、実はビヨンセはもしかして歌えないんじゃないか?って疑ったからだから、会見で生歌披露はそれを吹き飛ばす意味でのことだったよ」と。




実はビヨンセが歌えない??




ふぅん。。。



最初からボタンホールにもなっていなかったらしい私だった。









2013年2月9日土曜日

『anjin』 :家康と按針


行きつけの本屋『Foyles』で、この『anjin』のポスターを見て、

「見たいな~、場所はSadler's wells theatre(サドラ―ズ・ウェルズ・シアター)だし、近いし、行きたいな~」とニックにアピールしてみたけど無反応。



「ロイヤル・シェークスピア・カンパニーのグレゴリー・ドーラン演出って書いてあるよ、この市村正親って人は日本の良い俳優さんなんだよ、タレントじゃないよ、だからきっと面白いよ」



と、再度ポスターの前でねばったけれどスル―。



それはまだ2012年の年の瀬の頃だった。



期間が1月31日から2月の9日までというし、もうすぐだし、チケット売れちゃうだろうし、



どうしようかな、一人で行こうかな、、、



と考えていたのだけど、つい先日ロンドンに来たニックの両親と観劇についての話ついでに、


一人でもどんどん行くように、2013年はロンドン生活をもうちょっと頑張りたいなと言うと、



「一人で? ニックと行かなきゃ。出かける時はニックと一緒じゃなくてはね!」と軽いお達しが出た。



だからといってまごついたわけでもないけれど、なんとなく勢いがなくなったのも確かで、


そのまま、どうしようかな、、が続いているうちにすでに2月8日になった。


9日の朝、今日が最後だね~盛況かしらね~と思いを馳せていると、コンピュータの前に座っていたニックが、


「今日、anjin観に行こう!」


と。



は?  何言ってるの?


と言うと、行きたいよ僕、とニック。



「出た! またもやいきなりの予定立て! な~に言ってるの、仕事たまっているし、今日は最終日なんだよ、チケットなんて取れないよ。」と笑って言うと、


「いや。まだあるってさっき調べた。」とニック。



どーしたの? 全然興味なかったじゃない、と言うと、


「思い出して調べてみたら、イギリスのウィリアム・アダムスと家康の話ってやっと分かって興味が出たんだよ」と。




今頃?! 今日になって?!! しかももうラスト公演始まるんじゃ?!!



「そう!!! だから、ミキ、急いでよ!」と。


出た~~~~~~っっ、この自分勝手男~~~~っ!!



そんな流れは慣れっこなので、私は笑いながら、ダメダメ、仕事だよ仕事、締切あるでしょ、やばいでしょ、そんなこといきなり決めないの、、、


とあしらうと、



いやだ!! どうしても行きたいんだ!!とニック。



また次の機会にと言っても「うそだ! 次なんてない!」とか、以前も別のキャストだけどロンドンでやったらしいしまたその時にでもと言っても「今日観たいんだ!」と彼も譲らない。



そんなやり取りをしてる間に、もちろん私の心が揺れないはずもなく、観たかった劇だし、まさか観れるとは思わなかったのでこの流れに気分がだんだんと高揚してきた私はニックの間近に迫る締め切りに片目を瞑り、ついにOKの返事をした。







そして感想。


行って良かった観て良かった!!!


とても面白かった!!!














劇は日本語と英語のカメラ字幕付きだったのでちょっと不安だったが、しかしカメラが割りと正面近くにあったせいで疲れなくてすんだ。

しかもさすがSadler's Wells、遠くても舞台の隅々までが観やすく、居心地が良い席だった。




ところで、ストーリーは1600年、日本に漂着したウィリアム・アダムスという名のイギリス人がその後自国に帰ることが出来ないまま、家康のお膝元で働き、命を受けて領地をもらい、その領地は三浦にあったので性を三浦、航海の技術を持っていたので水先案内人の意味で名を按針、そうして三浦按針となり、刀の携帯を許され、日本初の外国人サムライになって、お雪という女性と結婚して2人の子供をもうけるというその波乱万丈な人生についてなのだろう、、と漠然と出かけて行った私だったけど、



そんな隙間だらけの詰め込み予備知識しかないまま観たせいか、すごく勉強になった。


劇は家康の天下統一から始まって、クリスチャンの広まりからクリスチャン弾圧、鎖国までを3時間で見せていたが、


どうやら家康はウィリアム・アダムスが船に積んでいたヨーロッパ製の大砲を使って関ヶ原の戦いに勝ち、天下統一を成し遂げたなんて、今まで全然知らなかった!


そりゃ~”この男は幸運を運ぶから放してなるものか!”と家康が思ったのも無理はないな、、と納得した。







しかしすごいね、


その時代の日本にやってきて、家康にその当時の世界を伝え教えたなんて。


イギリスに置いてきた妻と娘を思いながらも日本でも妻子を持って、いわゆる二重婚のまま、1600年から20年経った1620年に亡くなるまで日本に留まった按針、


よっ!! さすがイギリス人エゲレス人!!


宗教にこだわらないのが幸いして、昔も今もアドベンチャ―・スピリッツは変わらずだ。






そういえば作家の森瑤子さんの夫もそんなして日本に来たと聞いたっけ。。。



というか、ファー・イーストと呼ばれる遠い国・日本に来て、日本に長く住むようになる外国人は多かれ少なかれ皆、按針とも言えるね、、と思う。



ところで劇中で、クリスチャン弾圧の時のお雪がクロスを胸に抱きながらのシーンで、


按針が「そんなものは意味がない、外してくれ!」と懇願する。


本当に言ったのかな? そういうところがイギリス人はいいよな、と思わず笑ったが、


しかしお雪がクリスチャンになったのは、按針、お前がそもそも2重婚したのを知っての、苦悩の故だったんじゃあるまいか、、と想像したら、お雪が可哀想になってしまった。














ボケボケだけど。。。最終公演の舞台挨拶。




それにしても、市村正親という人はなかなかうまい俳優だなと、日本の俳優さんについてあんまり、、というか全然知らない私は感動した。




なんとかこの市村という人については舞台俳優というだけの知識があるのは、実は友達を彷彿とさせるからで、しかもその友達はオーストラリア人で名前はカール。


そんなわけで、たまにテレビでこの人を見かけると、”あ、カールだ”と言わずにはいれないという、そんなしょうもない程度のことだけだったのであるが、


それが今回のこの観劇のおかげで、日本の舞台俳優もすごいんだね、と思わせてくれたのであった。



深い地響きのような舞台俳優の声ではない人なので、彼が舞台に出て少しの間は”あれっ?”という感じだったけれどもそれも数分で、なによりも家康についてもっと知りたいと思わせるほどの憂いを備えた家康だったのが私の好みにドンピシャだった。




当時日本で家康に仕えていたスペイン宣教師達はやたらにウィリアム・アダムスを死罪をにするようにと家康に進言するのだが、ウィリアムはイギリスとスペインの間がどんな状態にあるかを家康にはっきりと伝え、


そして家康は死罪を命じることもなく、ウィリアムを横に置くようになる。


そこにはなにか、家康の心に通じるものがあったのだろうと、そんな微妙な心を、この俳優さんはセリフではなく、”間”で演技していた。



そんな彼は、劇が終わってカーテンコールも終わってからも、何度もお茶目なポーズをしてステージに出てきたのだが、


この人、もしかして、コメディーの素質の方が高いのかしら?

と思った。


                                                     
劇中、ジョークがいくつもあったのだけど、ウィリアムスにミニチュアの船を作って見せられた家康が、

「、、、小さいな、、、。」という場面、その絶妙のタイミングが特に素晴らしくて爆笑したし!







ニックもかなり楽しんだらしく、「面白かった!」と連発。



ロンドンでこういう日本の劇を観るのもなかなかオツだし、やっぱり芝居って良いものは良いのだなぁと感激した。


機会があったら次は迷わずぜひ行こうと思う。







ところでなぜニックは最初にポスターを見た時にも私が誘った時にも全く興味を示さなかったのかと訊いてみたら、


ニック曰く、


「あのポスターが変だったから」。




そうだね、そういえば、そうだね、


なんであんなポスターだったんだろうね、確かにね、、、


もっとなにか、別の物が作れたはずだろうにね、、、


と思ったのだった。


なんでだろ??




2013年2月6日水曜日

モディリアーニとオークション


もうベッドに入っていてさぁこれから寝るぞという時になって、



「明日、1952年かなんかのプライベートコレクションになってからずっと見ることが出来なかったモディリアーニの絵がオークションにかけられるんだけど、売られる前に一般公開するっていうから、見に行く?」


とニック。



本当に?!



モディリアーニの絵が見れるの?!




「この絵だって」、、と見せてくれたニックのアイフォンのスクリーンには今まで見たことのないジャンヌの絵があった。


ドキドキがいきなりマックスになる。


そんな絵が見れる機会だったらきっと会場はすごい混みようじゃない?


ニックにそう言うと、「実際にどれだけ混んでいるのかは行ってみなきゃ分からないし、とにかく行ってみようよ」と。


もちろん異論はない。


、、、ってことで出かけて行ったのはキングス・ロードにある、クリスティーズ。




おぉ~~~っっ!!


私ポスターで十分です、欲しいです。



そうしたら私達の狭いリビングルーム壁一面使って張るからさ。














行ってみたら混んでもなくて、すんなり入れた。


会場にはたくさんの絵があって、まるで美術館みたいだった。


すごいお金が動いてるね。ゲージュツは爆発だ。






ありゃりゃ。。。


具合が悪いのか?

売られるからかなのか?



Are you OK?と何度も話しかけたくなるこの姿。

こんなの家に欲しいか?

でも、あったら色々遊べるかも、横に頭痛薬置いたり0点の答案用紙置いたりとか。

それでやっぱり、Are you OK?って言うの。

暗い遊び。





マイヨール

£1,385,250

$2,166,531





 さすが豪華に春を感じさせてくれる花がふんだんに飾ってある。








おぉ~~~っ!会えたね~!と、またどこかへ雲隠れしてしまう前にこうして会えたことに感謝。


心底凄い絵だった。




ジャンヌは本当に美しい人だったんだろうね。


プライス・タグ見たら20億円ぐらいか。ぶほっ☆








こんなに大きなもの、飾る所は限られているな。


レジェ



£481,250

$752,675














お腹のたぷたぷ感がリアル。

これも、家にスペースがあったら、まぁ置いてもいいかな、と思ったけど、

でも埃がたまったら掃除が大変そうだね。



マグリット


£1,721,250

$2,692,035


ピカソやっぱりピカソだ。官能的。






£847,650

$1,325,725















キッチンに似合いそう。

ポール・シニャック

£79,250
$124,026




マチス。

線。

すごい。

これ、結局いくらで売れたんだろ。








シュールレアリズムの部屋に行く前にはこんな仕掛けがあった。

あっちからは見えない。




たくさんあってびっくり☆

今日コレみんなオークションにかけるの?って不思議に思っていたら、日を変えて明日ってことらしい。









マグリット

うわ~、そういえばもうすぐイースターがやってくるね~と思い出せてくれた絵。



£5,193,250
$8,122,243







ダリ

今まで見たダリの中でもとても気に入ったものだった。

ニック、買って!笑



£1,161,250
$1,816,195




ピカソ『髪を梳く女』


日本のお地蔵さまにも似た感じで可愛らしい。



大原三千院の庭にもひょっこりありそうな。





値段は全くもって可愛くないけれど。笑

でも、ピカソで彫刻、この出来じゃ仕方ないね~。


£517,250
$809,496







ビュッフェ『蝶』

£52,850
$82,710




いつも思うけど、カミーユの作品てどれも女の人が嫌そうにしているように見えるぞ。








£1,071,650
$1,676,061









これいいなぁ!




ニックは「かなりのお買い得だよね!!」って。

じゃ~買ってよ。笑




最終的に付いた値段は

£46,850
$73,320




それでもまだ

「お買い得だったね!」


と。



買ってから言って下さいまし。









ジャコメッティ


£99,650
$155,952

座りやすさはどうなんだ~!
誰か教えておくれ~!!






売り物なのか?!!



ミロ。

『Sans titre』 

Sans=without Titre=Title


『タイトルがない』というタイトルなのか、、、?

いや、あまりにこんな絵で、タイトルさえもつけれなかった、、ということではないでしょうか?




って!


ちょっと待って!!

私には全く分からないこの絵。

誰かに解説してほしい~!!








£73,250
$114,636

そうか、、、


本当に売っていたのか。。。


すごい値だ。。。

芸術って分からない。。。




そんなことを思いながら、最後、ジャンヌに別れを言って帰ったのだった。








£26,921,250
$42,104,835








結局40億円ほどで売られたこの絵。 


40億!!!



お金がなかったモディリアーニはびっくりしているだろうな。

誰が買ったのかは公にしていないらしいので、また雲隠れするのでしょう。

次に会うことはあるのかしら?




せめて美術館とかが買ってくれないかしらね!







と、まぁ、こんなわけで、

一緒に家に帰ったのはこのパンフレット!



とても良い機会と記念品を得て、また一つ、ロンドンにいる甲斐があったと思う私でした。



それにしても、こんな絵どうするんだ?という、買うのは投資目的以外の何物でもないような、もらっても大迷惑のような絵もあって、それが大金で売り買いされているっていう事実が面白いなぁ、、と思うのだった。




そんな、お金なんて絶対に一生持つことがない私だからこそ、美術館ではない場所で素晴らしい絵に値が付いているのは夢があるようにも感じた。






感想: 世の中なんてお金持ちが多いんだ!!











2013年2月5日火曜日

ミステリー本『HYPOTHERMIA』 :低体温症




本屋のクライム・セクションをぶらぶらしてたらこの青い表紙が目に入ってきたので手にとった。


すると大きく書いてある作者の名前からして北欧っぽい。


翻訳モノは誰が翻訳しているかによるからちょっとなぁ、、、、と思いながら1ページ目を読んでみたところ、思いがけずなかなか良い出だしだった。


そしてそのままレジに直行して買ったのがこの本、『HYPOTHERMIA』、日本語で言ったら『低体温症』となるのか?


さっそく読み始めたら舞台はアイスランドだと分かり、話が面白そうだが、やはりアイスランドの土地や人の名前が頭に入りにくくて読みづらく、引き込まれるのに時間がかかる。


そんなわけで放置する事に決めてから数ヶ月が経ち、その間も既に読んだたった数ページが頭を離れなかったので、今回再び手にとって読んでみた。


そしたら今度はすんなりとストーリーに入り込めてとっても面白く完読した。



適当に手に取って気まぐれのように買ったミステリ本で成功したのは久しぶりだったからとても嬉しい。



英語だけど英訳ということであくまで翻訳英語なのだし簡単で、それが逆にネイティブ英語圏じゃない私には読みやすかったのかもしれない。



とにかくこの主人公の刑事Erlendur、暗さを引きずりながらも魅力的で、最終ページにさしかかる時は別れ難さを感じたほど、愛着を湧かせてくれたキャラだった。


私には、面白い本はなるべくゆっくりゆっくり読もうとすることにかなりの力を入れ、

それでもうっかり中盤まで読んでしまっていることに気づいてはまた前に戻って読みなおし、

そうやって伸ばすその数日間は本をいつでもどこへでも持ち歩くというクセがあるのだが、


今回もそのクセが出たということはかなり気に入った本ということなのだと思う。

  

アイスランドミステリも頑張ってるんだね~と思ってこの作者、Arnaldur Indridasonのことを調べてみたら、

既にもう結構な数の本を出している作家で、その一つは映画にもなっていて、アメリカ版にリメイクもされていて、そのタイトルは『Jar City』だという。




ジャー・シティ?




聞いたことあるある!!


なんか気持ち悪そうなヤツだったんじゃなかったっけ?


そうしてもっと分かったのが、この刑事Erlendurはシリーズになっていること!



嬉しい!! 読むものが増えたぞ!


さっそく本屋に行って買い漁ろうと思う。


2013年2月3日日曜日

チーズスコーンのレシピ


あんまりにお腹が空いて、


甘いものが食べたいのか塩系のものが食べたいのか良く分からない空腹に襲われた。


しかし家には何にもない。


即効何かを口に入れたいのに何にもない時のこの淋しさ。。。


何か作るしかない。


限られたレシピをぺらぺらと頭の中でめくった。






材料をたくさん必要とせずに手っ取り早く作れるもの、


そして塩系か甘系どっちも楽しめるもの、なんだろう??







結果、思いついたものはチーズスコーン。


以前クレアを手本に一人で一度作った時に失敗してから敬遠していたスコーン、である。


しかしこんな時は失敗したことよりも、


彼女が何度も繰り返す、「スコーンはササッと手早く!食べ始めるまでに30分以内!!」という言葉ばかりが思い出されるのだった。
















結果、自分なりの分量でテキトーさも混ぜ合わせて出来上がったスコーンは大成功!


材料を混ぜ合わせてから30分以内にはもう食べ始めていた!!




そんなんでこれからもお世話になること確実なこのレシピの覚え書き:


材料

  • 薄力粉 200g
  • バター 50g
  • ベーキングパウダー 小さじ2
  • 砂糖 20g
  • 塩 一つまみ
  • 卵 1個
  • 水 卵と合わせて水を合わせて135gになるだけの量
  • 刻んだチーズ



1; ボールに薄力粉とベーキングパウダーと砂糖と塩を入れて軽く混ぜ、そこにサイコロ状に切ったバターを入れたら手で簡単にすり合わせる。(20秒ほど)

2; スケッパーのようなもので切るように混ぜる。 (15秒ほど)


3; 水と卵合わせて135gを加え、簡単に、切るように混ぜ、チーズを加えながらまとめる。(15秒ほど。粉っぽい状態のままでOK)


4; ボールから取り出したら3センチの厚さに広げて、型抜きして、温めておいたオーブン220℃で15分焼く。






* 4の時、打ち粉をして、伸ばさないように、押すように広げればいい。 200gは扱いやすい量なので、ロールピンじゃなくても手でサッと押したら大丈夫。

手早く、バターが溶けないように、生地が粉っぽくてボコボコしているまま作ったらスコーンは成功する!







2013年2月1日金曜日

短すぎる花の茎


ずっとベランダに出ないでいたから、花が咲いているのに気が付かなかった。


嬉しい。

が、

それにしても短すぎる茎だ。



昨年の春のチューリップも短かったがアヤメの茎が短いと格好が悪いもんだな。。。


かなりきつい風が吹き荒れるので、どうしても短くなってしまうベランダの花達だがこうなると楽しみにしている最近芽を吹き出したバラの花付きが気になってくる。




なので、ニックにバラの鉢を春が来るまで部屋に入れてもいいかと聞いたら、鼻で笑われた上に「ダメだよ~」と言われた。




なんで?

と聞くと、



「邪魔でしょ」と。




おい。



君のクリスマスツリーはずっと部屋にあったのだよ。。。