20世紀になったばかりのモンパルナスはボヘミアンの住処、エコール・ド・パリの拠点。
そこにある「ル・ドーム」は、モディリアーニ、スーティン、ザッキン、シャガール達が無名のままくだを巻いていたカフェの一つ。 今ではパリ四大カフェの一つに数えられている。
そこで夕食を食べることになった。 感激!!
店内はアールヌーボー様式で、なんとも言えず居心地が良い。
音楽はなく、カトラリーやグラスの触れ合う音が柔らかく響いていて、身のこなしの良いウェイター達が間を縫うように動いている。
至る所に芸術家たちの当時の写真。
みんなここに集まってたんだろうなぁ。。。。。。
ブラック、ピカソ、コクトー、へミングウェイ、サティやストラヴィンスキー、亡命中のレーニン、トロツキーにアインシュタインもいた。もちろん藤田嗣治も。
毎晩毎晩、あーでもないこーでもないとさぞかしうるさかった事だろう。
名が売れていたピカソなんて超エバってたんだろーな。
オレ結構暇だし、なんかやるか?」みたいなことになって、いつも横にいるコクトーが、「最近書き上げた脚本があるんですけどね」って言うと、「じゃー私が音楽担当いたします」ってサティ。
想像すると可笑しい♪
そこに座って夕食を食べるなんて!!
まずはギャルソン(これがまた私好みで素敵なの!!)がメニューを丁寧に説明。
その説明の仕方がいかにもフランス人!で、聞いてるだけでよだれ~。
悩んだ挙句。。。
私はフレッシュパスタ&えびのトマトとガーリックソース。
アダムがマグロのステーキ&ナスとトマトのロースト。
これが、もう、ものっすっっっっっごい美味しさ!!
あまりに有名な店だから、実はそこまで料理に期待はしてなかったのに見事に予想を裏切った。
おかしい! こんなに美味しいなんて!!
エビはぷりっぷり、本当にとろけるよう。それがガーリックの効いた濃厚なトマト、生パスタと絡んで、絶妙な味わい。
マグロなんか想像を絶する美味しさ。今までかなりのマグロを厳選して食べてきたけど、これは何っ??!!
食感は、すし屋でマグロをさっとあぶったのをシャリと一緒に食べるのにどこか似てるかなぁ。
ほら、周りだけがあぶられて口の中の温度と同じになってるから舌の上で滑らかで、噛むと中の生のままのマグロがじんわりとシャリと混ざる感じ。
ここのマグロも同じく周りを焼いて中はレア。
じっくりローストされてほとんどトロッと溶けかかったナスとトマトとそのジュースを、香ばしいガーリックを吸い込んだオリーブオイルと一緒にマグロに絡めると、、、
オーーーッ、マイマイ!!
と、途中、でっかいスウィーツが目に入る。あれはもしや??!
早速さっきのギャルソンに聞くと、「ナポレオンパイのミルフィーユです。」
「!!!」
食べたいッ! 目がキラッ☆
ウェイターは、「さくさくのパイ生地にフレッシュなクリームが層に入ってるから口の中で溶けるような味わいで。。。。。」ってそこまで言った後、手をすぼめた口に持っていき、チュッ!っていう音と一緒にその手を空で広げた。
そんなことされたら絶対うまそーじゃないか!!
食べたい食べたい!!
しかしメインを平らげた後にはあまりにもデカイので別のものをオーダー。
私が桃のスープ。
アダムはチョコレートとオレンジのムース。
桃には、オランダで食べた「桃のパンケーキ」でやられてるから迷ったけど、ここではそんなことはないはず!、、、、、って、メインのあまりの美味しさに、デザートへの期待が高まる高まる!
で、食べてみた。
これが、もう、すっっっっっっっごく美味!!
熱い桃のシチューの上に冷たい雪状にしたアイスがかかっていて、リキュールとミントの葉のかすかな風味が効いている。それを甘くて固い菓子にのせて食す。菓子は汁を吸ってたちまち柔らかくなり、熱くて冷たい桃と一緒に喉の奥へ。。。
ふぅ。。。。。。とため息。
チョコレートのムースはオレンジのソースが入り込んで軽くてしっとり。
口どけも良く、上に散ったダークチョコの削られた食感も手伝ってするするとノドの奥へ入っていく。
やばい。。。止まらない。。。。。。アダムのなのに。。。。。。
素晴らしいサーヴィスのギャルソンに多くチップを残した後、店内の写真を見て歩きながら食後の余韻を楽しむ。
満喫。
最高の夜。最高のレストラン。
かつて芸術家達が集まったカフェは場所も食べ物も芸術なのでした。
2 件のコメント:
上手に書くな。君は本当に才能あるんだなあ。これを読んだら食べたくてしょうがない。泣きそう。やあ。泣いている。う・ま・そ・うーーー!!!!肉
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