2013年6月3日月曜日

短期旅行なのに残念な味



カサ・バトリョの見学も終わり、ランチはどこにする??とニックに言うと、


「もう決まっているよ!」嬉しい答えが戻ってきたのですぐにそこに行った。



すると、店の外にはパラソル席がある。



嫌な予感。。。


こういう場所で、旨い物を出しているお店の記憶が、、、、島に行った時に通うシーフード店とかは別にして、、、一切ない。




ジッと見ればお客は皆観光客らしいし、、、本当に大丈夫なのか??


とりあえず、モノは試しだ、と座ろうとすると、ニックは店内がいいと言う。

素晴らしく天気の良い日だが、ああいう席で食べるのは苦手だと。



了解して入った店内はとても暗く、ちょっとした隠れ家バーのようで雰囲気が良いので一安心して席に座りながら、バルセロナの夏は今からこれよりももっともっと暑くなりそうだしそんな時はこのお店のひんやりした空気が重宝がられるんだろうな〜、、、なんて思った。


そしてオーダーを終えて10分、私の右側のテーブルナプキンの上に乗ったカトラリーの横に、黒い固まりがあった。





なんだこれ??!  さっきはなかったぞ。チェックちゃんとしたぞ。





びっくりして顔を近づけて凝視すると、それは黒いホコリだった。



どこから来たんだ?!!と思って少しして合点が行った、上からだ。


見上げると、やはりそこにはスペインのあちらこちらで見る梁がめぐらされた天井がある。

もともと天井が高いから掃除など出来ずにたまったホコリがこの気温の急上昇で久しぶりにONにされた冷房の風とともに私のもとへやってきたのだ。暗い店にありがちだ。



それからしばらくは上を向いたままでいたが、ニックに「気にしないで」と言われても、気になる。


食べている時に、しかも色がダークなパエリヤの中に入ってしまうことを考えただけで食欲がなくなる。




短い口論の末に、外で食べたいと言った私の勝ちで結局はパラソル席に移動となったのだった。









いい雰囲気だったのに、残念☆







外に座って料理を待ちながら、やはり自分の直感は正しかったのではないかと思わせる料理が隣のテーブルに運ばれてくる。



ね、なんで、このお店にしたの?とニックに恐る恐る訊くと、


「評価が高かったから」と。



どんな評価??  誰評価??と嫌〜な予感倍増で重ねて訊くと、




「アメリカ人とか、イギリス人とか。」


はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ?!!!!!



あめりかじん?!! いぎりすじん??!!!




誰が、なぜ、どういう理由で、あめりかんいんぐりっしゅの意見を尊重する訳よ?!!



食いもんだぜ?


そりゃないだろう、ニコラスさんよ。。。



と嘆いているべきか、すたこらさっさと逃げ出すべきかを考えている間に、前菜を食べている私の左隣のアメリカ人熟年カップルの女性がこっちを向いて、



「写真取ってあげましょうか?」



といきなり訊いてきた。


ハッキリ書くとこう、「Do you want us to take your photo?」。




wakewakame...





そのワケの分からない問いかけに、



「NO. But  WHY???????」



と、シンプルかつぶっきらぼうに言うと、


「Why not? We are at a beautiful restaurant, on such a beautiful day, arent we!」


の返答。


タイミングが良過ぎなのか悪過ぎなのか分からないが、そんなことは余計なお世話だ。。。と思ったがすぐに自分でも苦笑してしまった。



もし彼女がかわい子ちゃんで、そんな上から目線喋りじゃなかったら、喜んで写真を撮ってもらっていただろう、しかも私からも頼んで一緒に写ってもらっていただろう、、と思うと、

私ってダメだね〜と苦笑いするしかなかったのだった。



しかしその直後に奥のテーブル席へのメインが運ばれて、事態は急変。


なんと、臭いのだ。



臭い。。。



臭い臭い。。。



魚介類の臭さといったら、それをあまり経験したことのない日本人にとっては凄まじいものがある。



それが2つ隣の席からプンプン襲ってきて、ああもう限界だ、、、と思っていると、さっきのおばちゃんの連れの男の人の皿が運ばれてきて、そこからも匂いが襲ってきた。



彼らも、その奥のテーブルも、とにかく皆が無言で食事をしているところからして、



あなた達も実はあんまり美味しいと感じていないでしょう?!!




と問いただしたかったが、そんなことよりも、どうするんだ私のゴハン?!!と危機感でいっぱい、おいニック、逃げ出そーぜ、という度胸がないまま金縛り状態でいると、私の右隣の良さげなカップルはすっと席を立ち、去っていった。



あ、行ってしまった。。お〜〜い。。。



そこに私達の皿が登場。




奥テーブル料理ほどは悪くないがそれでも匂う。



こんなお店でエビのパエリヤなんてものを頼んじまったのが己の運の尽きじゃ。。。と嘆いたが、ニックがせっかく選んだんだ、文句ばっかり言っているのはだめだだめだ!!と自分に喝を入れ、私にしては結構がんばって口を動かし続けた。

プラス、あんまりにも丸ごと残してはお金が可哀想すぎる、、、となんとも貧乏臭い考えで。



しかし一休憩してぱっと前を見ると、そこにはニックの超のつくガッカリ顔があった。




それを見てまた、



ほら〜〜〜〜っっ!! だ〜か〜ら〜、アメリカ人とイギリス人の味評価は意味がないってこれでしっかり分かったでしょう!!!??



と、文句を言う私だったのだった。



それにしても、去ったあのカップルが心底羨ましかった。。。







コレから何百回バルセロナに行く機会があったとしても、多分、、というか、2度と、このお店には行かないと思う。



もちろん美味しいものもあるのかもしれないが、一番シェフがたまたまその日は休みだったということかもしれないが、得てして、レストランとの相性というのはそういう巡り合わせがとても関係していると思う。



そして加えて念を押すならば、一つの料理がマズいお店は、たくさんのマズいものがあるということ。



ここのワインも美味しくなかったし、コーヒーについてはここが今回の旅行中で一番マズいコーヒーだった。



と、いうか、比べ物にならないレベル。













パラソル席のすぐ横にあった公共水道。





 多分、これが今の私の表情に違いないと思ったら可笑しくなった。


マズいものを食べると人間は気分がかなり盛り下がる。






ところで去っていったそのカップル、なんとすぐそばにある別のお店で嬉しそうにスープをすすっていた。


あなた達、正解よ、正解!! 誉め称えてあげるわ!!



と、苦々しく思いながら、絶対チップは出さないぞとニックに宣言して席を立った私だった。




教訓;  

ヤバいな、と思ったら、いつ何時でも、すたこらさっさとにげること。
すたこらさっさ。これ大事。






気を取り直して、美しい壁を見た。


本当に綺麗だ。






マズいものを食べたが、それでも青空で嬉しいスペインの空の下、


またまた、’’こんなこともま〜いいよね〜’’と思える気候って大切だ。







それにしても、短期で旅行というのは食の回数も限られているからマズい物はなるべく避けたいよな。


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