Courtauld Gallery コートールド美術館

コートル―ド美術館の何が気に入ったかって、この階段、この手すり！


私の大好きな曲線がいたるところに見られて、アールヌーボーだ～！！と勝手に騒ぎまくっていた数時間だった。




この美術館はとても小ぶりだけど、印象派や後期印象派のコレクションでとても有名。


今回はロートレック展ということで行ったんだけど、私の中でロートレックはわりかし微妙な位置づけになっていて、お気に入りというんでもないし、どうしても見たいというんでもなくて、なんとなく惹かれる、て感じ。かなり幼い時に何にも知らずに買った絵皿を家に持って帰ったら、父親が「お！　ロートレックだね！」と言ったのが初めての始まり。


ふ～ん、有名な絵なの？って聞いたらカンカンの話をしてくれたのが懐かしい。その時に父がムーランルージュって言う度に見せたちょっとおどけたような顔が、今思えば”あぁそーか”だけれども、その時は全く分からず、それでもその表情から、なんか、子供が聞いちゃいけないことなんだなって思った。





しかし、「おとーさん、一体あなたは何を考えていたんですか！！」ってなもんである、今となっては。



そんな思い出もひっくるめたのが私にとってのロートレックであって、だから、どの絵が一番好きなのかって聞かれたらちょっと困る、でもロートレック展と聞けば素通りは出来ない、という感じかな。


それでもそんな小さい時にお小遣いを使ってまでロートレックの絵皿を買うくらいだから、やっぱり好きなのかなぁ。。。




高いところに展示されていたこのモネの絵。
この展示室に一歩足を踏み入れてこの絵を見ると途端にパーーーーーーーッと華やかな気分になった。本当にそこにお花があって、香りまでしてくるかのよう。


「この絵が部屋にあったら、もうお花なんて一生買わなくてもいいよね、ニック」って言うと、
「毎日一生、お花をたくさんたくさん買っても、この絵ほど高くないよ」と言われた。



風がヒュルルル～と吹いた。

そりゃそーだ。
そーなんだけどね～、そうじゃなくてね～、例えとしてね～、言ってるのだよ～。



マネ　『フォリー・べジェールの酒場』。
恐れ多くも後姿にちょっと不満な私。

そんな猫背じゃないってば。



ゴーギャン　『ネヴァモア・（横たわるタヒチの女）』


私がずっとずっと見てみたかった絵でもあった。

でも実際見てみると想像していた以上に哀しい絵だった。



解説には、「タヒチは夢見ていた楽園ではなく、ヨーロッパ文明に毒されているその様子に落胆したゴーギャンは、、、」とあったけれど、ちょっと‼ ゴーギャンさん‼ タヒチにとってはあなたも毒の一つだったに違いないのよ！！と言わずにはいられない。


１３歳の女の子や１４歳の女の子を現地妻に持つってどうなのよ？



植民地としてのタヒチを嘆きながら、その一方ではタヒチを植民地としてしか見ていないじゃないの！！といつもにも増して強く思わせるのがこの絵だった。



本当に、どうかと思う。。。






ピカソ！

すごい！！

欲しい！！！！！！！



２０歳の時の絵だって。


自分で、「俺、画家としてイケるかもだぜ」と思った最初の絵らしい。


このハトといい女の子の顔といい、ドレスの線といい帽子といい、もう既にピカソだ！





チャールズ１世って前々から肖像画とかを見てはヨワっちそうだと思っていたけど、こうして立体になっているのを見ると、、、もっとヨワヨワっちい☆！☆！


見よ、この手すり。

素晴らしいなぁ。



ニック。


上から。





ブーダン。

かなりの小作品、じっと見ていると絵の中のビーチでくつろいでいる人物達が動き出して、お喋りの声がこっちにまで聞こえてくるようで、ますますじっと見入っててしまう。




スーラ。サントロぺを描いたもので、夏にぴったりの爽やかな絵。

これも小さな絵だけれど、素晴らしく芸術品。


そして、お次の部屋は、、、と思って見ると、そこにはモディリアーニが！！！！！

また会えたね！




マチス。

自分の娘がモデルだという。なかなか可愛らしい作品で、線がやっぱりマチスで何ともいえず、それでいてその柔らかさが娘に対する愛情のようにも感じられる。


部屋に置いてあっても嫌じゃないね～。



ウラミンク。

今回一番気に入った絵。

こんな、デジカメ写真なんかでも分かるくらい、すごいよね？！！！


マチス。



すげェ～～～～～～～！！！！！！！！


段ボールみたいなのに描いて、これか！！！



その時にワープしていって、マチスが描きあげたその横からサッとひったくって自分のものにしたい。



ピカソ。



これ、すごかった！

この時はモーレツに忙しい時期で、１日に３枚も書いていた時があったくらいだそう。


だからなのか筆のタッチが荒くて太くて、でもそのせいで花が生命力に溢れていて、花瓶もあんなところにあるし、花も上の額縁すれすれで触りそうなんだけど、まさに、天才。


マイルスデイビスも契約レコード会社を移籍する時にまだ残っている契約のために超特急でアルバムを立て続けに作って、でもそれがいまだにジャズ界最高のアルバムとして君臨しているから、やっぱり天才は天才なんだなと改めて思った。




スーチンスーチンスーチン！！

わーーーい、スーチン！！、である。



以前アダムに、「いいな～、モディリアーニのモデルなんて。描いてもらいたかったな～」って言ったら、「マジで？　セックスもしながらモデルもするんだよ？」って言うから、「そーかなー、でも、そういう関係じゃなかったモデルもたくさんいた筈じゃない？」って返すと、「いーや、モディリアーニだよ。ミキが彼に頼んでモディリアーニのモデルになったら、もちろんあいつとはそうなるね、それでもいいの？！」とマジ顔で聞いてきた。　
アホちゃうの？と思いつつも、え～～～～～、どうしよう、、、、とふと考えた私も相当のアホだ☆



でも、見てよ、このスーチンの絵。

絶対にモデルとは”そういう関係”じゃなかったよね！笑

いや、愛人関係の女でさえも、こんなキョロ目に描いたかも？！！




通気口。曲線が綺麗なので、つい。。。。


ロートレック様のお通り。







とうとうロートレック。


それにしてもこの美術館、コレクションがあまりにも充実しているから、この特別展に辿り着く前に既に満足感たっぷりで、この垂れ幕を見てやっと、そーだ、ロートレックをまだ見ていない！！と気が付いたくらい。




出ました、この絵！！

なぜかいつも決まって、「あ～れ～～～～～っっ」という声が私の頭の中で響き渡る。


なぜかいつも日本調。


カンカン。


ポスター。
この絵の右下隅の演奏家を小さい時に発見した時は大喜びだったなぁ。


暗～～～～～い。。。。



キチガイじみたこのマスクはブールデルによるもの。





パリのメトロのアールヌーボーみたい。

ここのコレクションもすごく気に入ったけど、この建築デザインが本当に素敵で、このままじっとしていたいような気分になった。でもすぐ前がカフェで、人の通りがあるから私が立っているとちょっとジャマ☆



階段もこの通り曲線。


入口の右の方で現代展やっていて、外から見たら面白そうなものが見えたので中に入ってみたらこの通り。



念力。



結構長い時間をかけてじっくりと美術館で過ごした後は急激な空腹を感じて（いつものことだけど）お気に入りの中華屋さんへ急いだ。


これはその途中のパブ風景。


ハンギングバスケットからあんなに花がモコモコしていて、ウチの貧弱なそれと比べるからちょっとため息が出てしまった。



それにしても、５０ポンド払ったらニックと２人で一年間フリーパスらしい。
入る前にそのことを言われて、少し考えたけど、でも結局そういうのっていつも使わないで終わってしまう。例えば映画会員になった途端その映画館に良い映画が来ない、とか。ＵＳＪの１年チケット購入していざ中に入ってみるとかなりショボかったり、だとか。
だからもったいないと考えて、今回は見送った。
でも、この美術館は入ってみたら、何回も来たい！！と思うような空間で、加えてこれからも色んな特別展があるらしいから、ちょっとそそられているんだけど、、、。
一回で６ポンドのところ、年間で１人２５ポンド、もし払っていたとしたら既にたった１９ポンドであと３回行けば元は取れる。でも払っていないからまた一度行ってさらにそこから３回となると年で計５回行くことになるのか。。。
そうなるとやっぱり毎回ごとに払った方がいいよな。。。などとグダグダ考えている私である。